播戸竜二が激白。劇的な昇格を決めた大宮アルディージャの舞台裏 (3ページ目)
しかしこの試合同様、大宮のここまでの道のりは山あり谷ありと、決して平坦なものではなかった。大事な終盤戦を迎えて、最大の苦難にもぶつかった。播戸が当時を振り返る。
「スタートから8月半ばぐらいまでは、チームも、自分も、いい感じやった。でも(後半戦に入って)徐々に勝てなくなって、10月は1試合も勝たれへんかった(2分け2敗)。特にキツかったんは、ロアッソ熊本(第36節/10月10日、0-3)、徳島ヴォルティス(第37節/10月18日、1-2)と連敗したあたり。徳島戦では、内容は悪くないのに勝てへんかった。その一方で、(大宮を追う)磐田と福岡は負けへんかったんで、ダブルでしんどかった」
主力選手の疲労や、大宮のサッカーが相手に研究されていたこともあったが、失速の原因はなかなか特定できなかった。そうしている間に、一時2位の磐田と最大16もあった勝ち点差はじわじわと縮まって、前節の第40節(11月8日)終了時点はわずか2差となった。そんな状況にあって、播戸はチームを前向きに持っていくことだけを心掛けたという。
「苦しくなったときは、選手だけでミーティングをしたし、チーム全体で話をするときには、『優勝して昇格することだけを考えよう」ということを言ってきた。試合に負けてヘラヘラしている選手がいたら、『ホンマに強いチーム、上に行くチームは、そんなことはない』という注意もした。
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