福田正博が分析。ハリルJの「決定力不足」の原因は何か (2ページ目)
それは、ボール保持率を高めることでも、速攻をしかけることでもなく、「ゴールを奪う」こと。
ゴールを奪うための手段としては、「ボール保持率を高める」ことや「速攻」など、いくつか選択肢がある。ここで注意してほしいのだが、ボールを保持することと速攻をすることは、「手段」であって「目的」ではない。目的はあくまでも得点を決めること。そこを勘違いしないようにしたい。
そのうえで、よりゴールの確率が高いのはポゼッションなのか、速攻なのか、あるいはサイド攻撃などほかの選択肢なのかを、状況に応じて使い分けられる「引き出しの多さ」が必要なことは言うまでもない。
ハリルホジッチ監督は、ボールを奪ってからの判断の優先順位を、「ボール保持」から相手ゴール近くへの「縦に速い攻撃」へと変えてきたと思う。なぜなら、相手からボールを奪った直後が、相手の守備がもっとも甘くなっているからだ。
これは「縦に速いサッカー」と言われているが、判断基準を「ゴールに直結するダイレクトプレー」というサッカーの原理原則に戻したともいえる。もちろん、判断が悪い場合、技術が低い場合は縦パスが通らず、単調な攻撃になることはあるが、選手に植え付ける意識として間違っていない。
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