福田正博が語る「宇佐美貴史が代表で輝くための宿題」

 ハリルホジッチ監督が就任した新体制の日本代表はいいスタートを切った。チュニジア、ウズベキスタンに連勝し、結果としても内容としても「いい船出」と言うべきだろう。

 招集されたメンバー構成を見ると、バックアップも含めて新しい選手が呼ばれており、その新戦力を試したうえで結果を出した。しかも、監督が各選手の良さを引き出してくれた。この点も評価できるポイントだ。

 ブラジルW杯やアジアカップでは、メンバーを固定化することで、競争がなくなる弊害が指摘されていたが、この先、若手や新戦力が起用されることで、競争意識がいい方向に働いていくことに期待したい。

 2018年のロシアW杯へ向け、本田圭佑や長友佑都、岡崎慎司ら北京五輪世代がチームの中心になっている現状から脱却し、これからはロンドン五輪世代や、その下の世代の突き上げがもっと必要になる。若手の活躍によって本田らも刺激を受け、さらに成長していくはずだ。それが、チーム全体のレベルアップにつながる。

 また、ハリルホジッチ監督のサッカー観は、日本人に合っていると私は思っている。チーム全員に「規律」を求め、「チームがスターになるべきだ」という言葉からも、組織力を重視していることがうかがえる。

 前から激しいプレッシャーをかけ、ボールを奪ったら縦にスピードアップをして、90分走り続ける。これはハビエル・アギーレ監督も指向していたスタイルだ。同じようなコンセプトのサッカーを、岡田武史監督も2010年のW杯南ア大会前に試みたことがあったが、このときは選手の足が75分で止まってしまい、結局岡田監督はそのスタイルを断念した。

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