柿谷、原口...。戦力流出にJクラブはどう対処すべきか (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

 各メディアの報道によれば、柿谷の移籍金(違約金)は220万ユーロ(約3億円)、原口のそれは50万ユーロ(約6800万円)と言われる。金額の多寡はともかく、以前に比べて契約満了にともなう、いわゆる“0円移籍”が減っていることは、Jクラブの進歩と言ってもいいだろう。

 Jリーグの場合、各クラブが資金面で潤沢とは言えず、高額年俸の選手を数多く抱える「銀河系軍団」は見当たらない。どちらかと言えば、自前の育成組織で育てた人材をトップチームへ供給する「育成型クラブ」への転換を図るクラブが少なくない。

 だが、本当の意味での「育成型」とは、単に自前で選手を供給するだけのクラブを指すのではない。育てて、活躍させて、売る。そのサイクルを成立させてこそ、本当の「育成型」である。

 となれば、主力選手が抜けたからといって無闇に補強を焦るのではなく、クラブのビジョンに沿って、しかるべきところに投資する。これもまたひとつの「穴埋め」となるのである。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る