2014.07.28

日本サッカーを支えるのは「代表愛」より「クラブ愛」

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki 山添敏央●撮影 photo by Yamazoe Toshio

7月特集 Jリーグから始めよう(8)

 18クラブが参加し、ホーム・アンド・アウェーの総当たりで行なわれるJ1の1シーズンは全34節で構成されている。つまり7月27日に行なわれた第17節で、今季もちょうど半分が終わったことになる。

激しく競り合う浦和と鹿島、両チームの選手たち。試合は1-1のドローに終わった そんな節目に行なわれたのが、首位に立つ浦和と4位で追う鹿島の上位対決。優勝を争うクラブ同士が激突した好カードである。

 結果から言えば、1-1の引き分け。前半に1点ずつを取り合った後は互いにチャンスを生かせず、勝ち越しゴールを奪うことはできなかった。どちらも決め手を欠いた試合だと言うこともできるだろう。

 だが、優勝を争うクラブが互いの持ち味を発揮し、攻め合った試合はなかなかに見応えがあった。

「すばらしい試合だった。日本ではこれだけの(質の高い)試合は稀なのではないだろうか。それだけ両チームの選手がすばらしいプレイをしたということだ」

 そう言って、浦和のペトロヴィッチ監督が敵味方を越えて選手たちを称えれば、鹿島のトニーニョ・セレーゾ監督もまた、「1-1の結果は妥当。うちの選手は若く、経験値が低いが、相手の能力を考えればすばらしい試合をした」と満足の様子だった。

 この日、試合が行なわれた浦和のホーム、埼玉スタジアムには4万人にはわずかに届かなかったものの、39,205人もの観客が足を運んだ。その多くが、結果はともかく、試合内容には納得して帰路についたのではないだろうか。

 試合は主に浦和がボールを支配し、鹿島がカウンターを狙うという図式で進んだ。

 DFラインからパスをつなぎ、攻撃を組み立てる浦和はボールポゼッションで鹿島を圧倒。フィールドプレイヤーだけでなく、GKまで加わって、これだけパスをつなげるクラブはJ1にも少ない。西川周作という足下の技術に優れたGKを擁する浦和だからこそ実現できるサッカーである。

 ピッチを横に広く使ってボールを動かし、サイドから、あるいは中央から鹿島ゴールに迫った。ペナルティエリア付近までは狙い通りにボールを運ぶことができていた。

 しかし、そこまではやられても、最後の一線を越えさせないのが鹿島の強さである。