J1リーグ再開。後半戦の上がり目、下がり目チームは?

  • 飯尾篤史●文 text by Iio Atsushi photo by AFLO

7月特集 Jリーグから始めよう(2)

 ワールドカップのために中断されていたJ1リーグがいよいよ再開される。それに先立ち、未消化だった2試合が7月15日に行なわれた。

 AFCチャンピオンズリーグ(ACL)出場チーム同士によるこの2試合の結果は、広島1-2横浜FM、C大阪1-2川崎F。いずれもホームチームが先制しながら逆転負け。実力伯仲、どちらが勝ってもおかしくないという点で、混戦模様のリーグを象徴するような結果になった。

design by Unno Satorudesign by Unno Satoru 川崎Fはこれで勝ち点を24に積み上げ、順位を8位から3位へと一気に上げた。だが、中村憲剛は、「ちょっと勝てば上がるし、ちょっと負ければ下がる。順位はまだ気にしないほうがいい」と言う。それもそのはず、3位・川崎Fと8位・新潟との勝ち点差はたったの「2」しかなく、6チームがひしめきあっている。

 混戦なのは上位だけではない。下位を見ても、10位の清水から降格圏内である16位のG大阪までの勝ち点差は「3」。降格争いに関しても、予断を許さない状況なのだ。

 今季、ここまでリーグを牽引してきたのが、1位の浦和(勝ち点29)、2位の鳥栖(同28)、4位の神戸(同24)の3チームだった。

 浦和はようやく戦力に見合った順位に立った。そのベースとなっているのは、安定した守備力だ。攻守のトランジション(切り替え)、前線からの連動したプレス、高い守備ライン設定......。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督が就任してから初めて守備のトレーニングに力を注いでいるというが、その成果がピッチの上でくっきりと表れている。第14節終了時で失点数9はリーグ最少の数字だ。

 この中断期間にチーム得点王の原口元気がヘルタ・ベルリンに移籍したものの、その穴を埋める算段はすでについている。興梠慎三と柏木陽介で2シャドーを形成する、ウイングバックでの起用が多い梅崎司を2シャドーの一角に据える、成長著しい若手MFの矢島慎也や関根貴大を抜擢する――など、選手層が厚いのは浦和の強み。大崩れする気配はない。

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