【Jリーグ】J1昇格プレイオフで手腕を発揮した若手監督たちの存在感

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Nakanishi Yusuke/AFLO SPORT

J1昇格プレイオフを制したのは大分。4年ぶりのJ1の舞台となるJ1昇格プレイオフを制したのは大分。4年ぶりのJ1の舞台となる
 今季、初めて導入されたJ1昇格プレイオフ。その決勝が11月23日、東京・国立競技場で行なわれ、大分が千葉を1-0で破って4年ぶりとなるJ1昇格を決めた。

 初のプレイオフは波乱の連続だった。

 まずリーグ3位の京都と同6位の大分が、また同4位の横浜FCと同5位の千葉が対戦した準決勝は、いずれも4-0で下位クラブが圧勝して決勝進出。そして最後は、大分が千葉を下してしまったのだから、リーグ戦6位からの大逆転昇格である。

 とはいえ、今季のリーグ戦最終成績は、3位から6位までの勝ち点差がわずかに3。大混戦のリーグ戦だったとあって、これを波乱と表現していいのかどうかは難しい。むしろ、力の拮抗したクラブ同士が最終決着をつけるという意味で、今回のプレイオフは非常におもしろかったのではないだろうか。

 そんな初のプレイオフ決勝で、たった一枚のJ1昇格キップを巡って争ったのが、田坂和明・大分監督41歳と、木山隆之・千葉監督40歳。木山監督が早生まれである関係で年齢に違いはあるが、奇しくもふたりは同級生である。

 このふたりに象徴されるように、今季のJ2は、若い監督に率いられたクラブの躍進が目立つシーズンだった。

 リーグ2位でJ1昇格を果たした湘南の曺貴裁(チョウ・キジェ)監督は43歳。また、4位でプレイオフに進出した横浜FCの山口素弘監督も、同じく43歳。つまりJ2の上位6クラブのうち、4クラブが40代前半の監督に率いられていたことになる。

 加えて、過去に水戸を率いたことのある木山監督を除けば、いずれも現職が自身初の監督経験であるという点でも共通していた。

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