【フットサル】元日本代表選手が分析する『キング・カズが覚えるべきこと』 (3ページ目)
(3)フットサル選手のプレイ感覚の理解
「木村(和司)監督のときは、多くのサッカー選手が代表メンバーにいました。そのため、サッカー選手の方々も、わりとサッカーの感覚に近いスタイルでフットサルをプレイできていたと思います。それが今回、サッカー選手はカズさんひとりで、周りはすべてフットサル選手です。その中でプレイするのは、かなり戸惑いがあると思います。フットサル選手にとっては当たり前の動きやプレイでも、カズさんにとっては異質で、まったく意図していないことがありますから。そうした環境の中にどれだけ溶け込めるのかが、3つ目の課題になるのではないでしょうか。
しかし一方で、感覚的に共通している部分もあります。例えば、カウンターアタックです。このときのボールの動かし方、シュートに持ち込む形などは、サッカーもフットサルも同じです。そこでは、カズさんの良さが存分に発揮されるのではないでしょうか。というのも、僕もサッカーのトップ選手たちとフットサルをする機会があるのですが、その際にいつも感じることは、サッカー選手のワンタッチプレイの巧さなんです。パスのタイミング、質の高さ、そしてその判断が秀逸で、カウンターの場面では相当な強みになります。そういう意味では、カズさんにはフットサル選手の感覚を理解しながらも、『ここ』というタイミングではサッカー選手の感性のままにプレイしてほしいな、と思っています」
こうしてみると、緻密な守備戦術に、膨大な数のサインプレイなど、サッカーとフットサルはまさに「似て非なるもの」である。言うなれば、カズは今回、それほど大変なことにチャレンジしているわけだ。
そう考えると、短い準備期間からして、カズの出番は決して多くはないだろう。セットプレイなどでのワンポイント的な起用に落ち着くのではないかと思われている。
「でも、交代が自由なフットサルで大事なのは、長く出ることではなく、いかに仕事をするか。(出場時間が)1分でも10秒でも“形”を残せるかどうかが重要です。カズさんに期待するのはそこで、カズさんならやってくれると思います」(金山)
はたしてカズは、本番までにどれだけフットサルに順応し、多くの役割をこなせるようになるのか。今後の合宿や練習試合での動向を、さらに注目していきたい。
フットサル日本代表 今後の主な予定
10月16日~22日 トレーニングキャンプ(愛知)
10月24日 親善試合vsブラジル(東京・国立代々木競技場 第一体育館)
10月27日 親善試合vsウクライナ(北海道・旭川大雪アリーナ)
◆FIFAフットサルW杯 (11月1日~18日/タイ)
11月1日 グループステージ第1戦vsブラジル
11月4日 グループステージ第2戦vsポルトガル
11月7日 グループステージ第3戦vsリビア
11月11日or12日 決勝トーナメント1回戦
11月14日 準々決勝
11月16日 準決勝
11月18日 決勝/3位決定戦
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