【日本代表】ザックジャパンのサイドバックに求められる資質とは?

  • photo by Fujita Masato

アゼルバイジャン戦では、内田と長友がSBに起用されたアゼルバイジャン戦では、内田と長友がSBに起用された
福田正博 フォーメーション進化論 vol.20

 現代サッカーにおいて、サイドバック(SB)の重要性はさらに高まっている。私が日本代表でプレイしていたころよりも、求められることが多くなっていると思うし、とくに攻撃という点で、より高い能力が必要になっている。

 SBは、攻守両面で労を惜しまずアップダウンできることは絶対に必要だが、アタッキングサードに入っていくサイドアタッカーとしての能力がなくては務まらないポジションだ。バイエルンのドイツ代表SBのフィリップ・ラームや長友佑都、駒野友一のように、右でも左でもできるSBが監督にとってはベストだと思うし、当然ザッケローニ監督もそうしたことを考えて選考をしていると思う。

 現在の日本代表では、「4-2-3-1」の場合、長友佑都、内田篤人、駒野友一、酒井宏樹らが起用されているが、SBは相手のゴールの近くにいるときはアタッカー、自分のゴールの近くにいるときはディフェンダーの役割を求められる。

 現代サッカーでは、ゴールを奪うためにSBの攻撃参加は不可欠であり、攻撃参加するためには、対面する相手のサイドアタッカーとの駆け引きにも勝たなくてはいけない。

 たとえば、先日のチャンピオンズリーグ準決勝のバイエルン対レアル・マドリードでの、ラーム対クリスティアーノ・ロナウドの場合、ラームはロナウドに攻撃をさせないで、自らは攻撃に参加してチャンスをつくりだすことができていた。

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著者プロフィール

  • 福田正博

    福田正博 (ふくだ・まさひろ)

    1966年12月27日生まれ。神奈川県出身。中央大学卒業後、1989年に三菱(現浦和レッズ)に入団。Jリーグスタート時から浦和の中心選手として活躍した「ミスター・レッズ」。1995年に50試合で32ゴールを挙げ、日本人初のJリーグ得点王。Jリーグ通算228試合、93得点。日本代表では、45試合で9ゴールを記録。2002年に現役引退後、解説者として各種メディアで活動。2008~10年は浦和のコーチも務めている。

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