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JFA名誉会長・田嶋幸三に聞く「サッカー日本代表は2050年にワールドカップで優勝できるのか」カギは17歳Jデビュー (4ページ目)

  • 西部謙司●取材・文 text by Kenji Nishibe

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 田嶋氏は会長を退き、現在は名誉会長。「口出しする立場ではなくなっています」はそうなのだろうが、逆に自由に発言しやすくなったのではないかとも思う。

 ジャンニ・インファンティーノFIFA会長がW杯の運営会社を立ち上げると言い出した時、世界各国から反論が湧き上がった。日本からは田嶋氏と川淵氏がいち早くコメントを出している。宮本恒靖会長は筆者の知る限り声明は出していない。このあたり、名誉会長という立場をうまく使ったのではないかと水を向けると、FIFAへの不満があふれ出てきた。今回のテーマからは外れるが、以下、要約して紹介しておきたい。

田嶋 あれはFIFAカウンシルメンバーという立場で発言しました。何の議論もなかったですから。コメントを出す際には宮本会長にも断っています。何なら一緒に出してもいいよと。

 FIFAはW杯で信用をなくしたところがある。イランが他国と平等に扱われなかった。これは非常に残念。本来、開催国の義務ですから。もうひとつはフォラリン・バログン(米国)の処遇(※出場停止処分の執行の1年間猶予)。何に忖度したのかはわかりませんが、明らかに異例の措置です。それなのにFIFAは(まともな)ステートメントを出さなかった。出したのは「ディシプリナリー・コミッティ(規律委員会)は独立していて、その判断を尊重する」という旨だけ。出場停止の執行猶予は極めて異例なのに合理的な説明はなく、大会後に「二度とこのようなことは起こさない」という声明もなかった。

 その後、カウンシルであの処遇が各国に影響するのではないかと危惧していると提言もしました。規律委員長があの時に言ったのは「諸般の事情により」ですよ。あれで信用をなくしたがために、その後のアルゼンチンの試合での判定に疑惑を持たれるという影響も実際あったわけです。

 デモクラシーは倫理観が土台にあるべきです。そうでなければ、単なる多数派工作で物事が決まってしまいます。(W杯運営会社設立案に関して言うと)30億円か15億円かと問われたら、30億がいいに決まっていると答える国はありますよ。だからこそ、そういう議論にしてほしくない。FIFAはサッカーの健全性を保ち、世界中のより多くの人々に参画していただく、そのために奉仕する組織。それを忘れてほしくないと思います。

>>後編「育成システムのあり方、代表が強豪へ進化するポイントは?」につづく

田嶋幸三 
たしま・こうぞう/1957年11月21日生まれ。熊本県出身。浦和南高校で高校サッカー選手権優勝。その後筑波大学、古河電工(現ジェフユナイテッド千葉)と進み、日本代表でもプレーした(Aマッチ7試合出場1得点)。1982年に引退後は西ドイツへコーチ留学。帰国後は指導者養成などに尽力し、2001年にU-17日本代表監督、2002年にはJFA技術委員長に就任。選手育成やJFAアカデミー福島の創設にも携わった。2016年から2024年までJFA会長を務め、現在はJFA名誉会長。2011年からアジアサッカー連盟(AFC)の理事、2015年から国際サッカー連盟(FIFA)理事(2016年からはカウンシルメンバー)を務める。

著者プロフィール

  • 西部謙司

    西部謙司 (にしべ・けんじ)

    1962年、東京生まれ。サッカー専門誌「ストライカー」の編集記者を経て2002年からフリーランスに。「戦術リストランテ」「Jリーグ新戦術レポート」などシリーズ化している著作のほか、「サッカー 止める蹴る解剖図鑑」(風間八宏著)などの構成も手掛ける。ジェフユナイテッド千葉を追った「犬の生活」、「Jリーグ戦術ラボ」のWEB連載を継続中。

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