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JFA名誉会長・田嶋幸三に聞く「サッカー日本代表は2050年にワールドカップで優勝できるのか」カギは17歳Jデビュー (2ページ目)

  • 西部謙司●取材・文 text by Kenji Nishibe

【サッカーファミリー1000万人と「ダブル・ピラミッド」】

――2050年W杯で優勝するために何が必要かというのがテーマです。JFA会長として、それ以前も強化担当などさまざまな分野に精通しておられる田嶋さんのご意見を伺いたいです。

田嶋 何でも聞いてください。

――JFA2005年宣言でサッカーファミリー1000万人という目標を掲げています。W杯優勝国で、サッカーがナンバーワンスポーツでない国はありませんが、日本はまだその域にはありません。

田嶋 1000万人も、優勝したければまだ少ないと思っています。優勝するのであれば、その時に5000万人くらい、その時の人口がどのくらいかわかりませんけど、国全体が盛り上がるなかで、それくらいのサッカーファミリーが関わっているという状態であるべきだと思います。サッカーファミリーには小中学生のプレーヤー、その親御さん、サポーターなどが含まれます。僕はまだまだ増えると思っていますし、そうでなければ優勝はできないでしょう。

――そのために取り組んでいることは何でしょう?

田嶋 まずは代表が勝つことが一番です。日本にはさまざまなスポーツがありますが、今回のW杯でも一気に関心が高まったのを感じましたし、勝ち続けることで大きな盛り上がりが期待できると思います。また、キッズプログラムにも取り組んできましたし、さまざまなアプローチをしてきたつもりです。

――シニアサッカー人口が増えています。ただ、そこまでずっとプレーしていた人は案外多くなくて、もちろん負傷などがあるんですが、生涯サッカーに関わっていく人の厚みがまだ足りないのかなという気もします。

田嶋 現在、ダブル・ピラミッドで考えています。

――ダブル・ピラミッド?

田嶋 以前は頂点に代表選手がいて、底辺にグラスルーツがあってというピラミッドでしたが、それとは別に生涯スポーツとしてのピラミッドを作る。両方大事にしていくという考え方です。例えば高校を卒業して18歳で引退ということがないように、プレーできる環境を作っていく。生涯にわたってサッカーを楽しめる環境を作っていきたいと思っています。

――・――・――

 サッカーがナンバーワンスポーツでない国は過去優勝していない。ついでに言えば、「サッカー」と呼んでいる国も優勝していない。

 米国やオーストラリアなど、フットボールをサッカーと呼ぶ国には別にフットボールがあったため、区別する必要からサッカーと呼ばれるようになった。サッカーの国はナンバーワンスポーツではなく社会的地位が低いところからのスタートだった。フットボールの呼び方も国によって微妙な違いはあるものの、優勝実績があるのはフットボールの国である。例外はイタリアで「カルチョ」と呼んでいて、日本も戦前は「蹴球」だった。「フットボール」も使っていた。米国の占領下に入って「サッカー」が定着した経緯がある。

 ともあれ国民的な熱量は優勝の条件と考えられ、サッカーファミリー1000万人は優勝のためには不可欠な目標だろう。代表チームが強ければ、それだけで優勝できるというわけにはいかないのだと思う。「2つのピラミッド」の充実は大きな課題と考えられる。

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