ワールドカップ優勝まで20年 JFA名誉会長・田嶋幸三「育成をビジネスとして成立させないと勝てない」 (3ページ目)
【強豪へ進化するポイント】
――日本がW杯で優勝する、強豪として優勝するには少なくとも20年くらいはかかるのではないかと思っています。では、その20年間で代表はどう強化されるべきでしょうか。
田嶋 ここまで来るのにも時間はかかりました。Jリーグができ、指導者を養成し、選手も成長してきました。次は指導者が欧州に行くことです。優勝国はすべて自国の監督ですから、日本も欧州で活躍する指導者を持つ必要があると思います。
あとは熱量ですね。トレセンを始めた時に見学者を20人募集したら100人の希望者があった。当時インストラクター9000人計画というのも立てたのですが、Jリーグ発足という機運もあってすごく勢いがありました。僕はちょうどその最中にいましたから、みんなで日本サッカーを盛り上げてW杯に出場しようという熱量を肌で感じることができました。
現在はW杯の常連にもなり、当時のような熱量は薄れているかもしれません。そこで優勝という目標に向かって新しい熱をどうやって生み出していくのか。そこにとても興味があります。
――新しい熱量を生むのは何だと思われますか?
田嶋 優勝するには何が足りないか、どこを変えるべきか。先ほどの話にも出た、17歳でプロデビューする選手を育成する、育成をビジネスとして成立させるなど、それが優勝へつながるという明確な意識ではないでしょうか。
――すでに強豪を倒しうる日本代表にはなりましたが、優勝するには強豪にならないと難しい。優勝する日本のサッカーとはどんなイメージでしょうか。
田嶋 強豪と10回やって3回勝てる程度では十分ではなく、やはり6回勝てるようにならないといけない。個で上回れなければいけないでしょうね。
――その個の能力なのですが、優勝したスペインは、例えばフランスの個の強さとは違う「連係する個」でしたよね。
田嶋 ペドリがまさにそれでしたよね。日本人より華奢な体格だけど、ゲーム全体を見る能力が非常に高い。だから、速い、強いだけではなく、すごく頭がいいなど、さまざまな能力のトップクラスが集まるチームであるべきでしょう。大岩剛監督が率いていた五輪代表はパリ五輪でスペインと対戦しましたけど、個で負けている感じはしませんでした。しかし、チームとしてまだ足りないところがあるのでしょう。
――スペインはバルセロナという基盤になるクラブがあります。ある意味、毎日練習している代表チームです。バルサでレギュラーを取ったら即代表です。育成までやってくれる。こういう基盤があって、連係面でのプレー言語を共有できている強みがあった。では、Jリーグでそうした基盤になりうるクラブを持つことはできるでしょうか?
田嶋 代表選手が複数いるクラブがあるだけでは不十分で、そのクラブがACLで優勝し、クラブW杯でも上位に入る実力であることが条件ですよね。そういうダントツのクラブが出てくることは大事かと思います。
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