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FC町田ゼルビア・黒田剛監督はサッカー日本代表をどう見たか「やられたところは完全に"個"の部分、そして"原則"の部分だった」 (4ページ目)

  • 篠 幸彦●取材・文 text by Yukihiko Shino

【個の質を上げないといけない】

――日本代表がここから成長するために必要なものはなんだと思いますか?

「日本は組織力として、確かに体を張って球際でいい守備をした場面はありました。ただ、やられたところは完全に"個"の部分。『なぜその選手に侵入させたの?』『なぜその選手を走らせたの?』『なぜ背後を取られたの?』『なぜ急にマークを外したの?』と、これは全部"個"の問題です。

 グループとして統一感をもって何かができている時はすごくいい守備をしているし、すばらしいチーム組織だなと感じます。日本が守備を強化しているのもよくわかります。ただ、最終的に原則上やってはいけない、起こってはいけないプレーを選択し、失点を重ねてしまいます。やられているのは"個の意識"のところです」

――組織としての綻びが見える時は、必ず個の判断や質の部分が足りなかったと。

「そこをトレーニングのなかでどこまで詰められたかはわかりませんが、プロだからといって、あるいは海外でプレーしているからといって、当然みんなが意識高くできるというわけではありません。またチームとしての守備は、自分の目に見えている範囲だけで完結するわけではなく、背後の対応、体の向き、距離、グループでの連結連動など、すべてでチームとしてより洗練させていかなければなりません。でも最後は"個の差"が勝負の明暗を分けていたのは否定できないと思います」

――組織としてより洗練させたうえで、最初におっしゃったように脅威を与えられる選手の数をもっと増やしていかなければいけないわけですね。

「出場国が増え、ラウンド数も増えた今のW杯において、上に勝ち進むには実力だけでも運だけでも難しく、より総合力の勝負になってきたと感じます。非常に難しい大会になったからこそ、そのなかでトランプのジョーカー的存在が何枚いるか。

 日本人選手が欧州のトップリーグで活躍できるようになってきましたが、勘違いしがちなのは周りのチームメイトのレベルも高いから活躍できる面があるということです。世界で自分自身がもっと光らなければならないし、世界のトップリーグの中心選手がもっと増えないといけない。それは今後、日本が世界で勝ち上がるための十分な根拠にもなるのです。

 イングランドやフランス、スペインなど、伝統ある国は違いを作れるタレントがいるし、勝ち上がっていくだけの選手層もあるし、勝つための理念をチームとして持っている。日本が勝ち上がっていくには難しいレギュレーションになってきたと思いますが、心技体すべてにおいて、より総合的に力をつけていくしかないと思います」

著者プロフィール

  • 篠 幸彦

    篠 幸彦 (しの・ゆきひこ)

    1984年、東京都生まれ。編集プロダクションを経て、実用系出版社に勤務。技術論や対談集、サッカービジネスといった多彩なスポーツ系の書籍編集を担当。2011年よりフリーランスとなり、サッカー専門誌、WEB媒体への寄稿や多数の単行本の構成を担当。著書には『長友佑都の折れないこころ』(ぱる出版)、『100問の"実戦ドリル"でサッカーiQが高まる』『高校サッカーは頭脳が9割』『弱小校のチカラを引き出す』(東邦出版)がある。

【画像】サッカー日本代表2030年W杯のメンバー予想/フォーメーション

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