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サッカー日本代表の10月ブラジル戦、セルジオ越後が「負けてもいいから、リスク覚悟で点を取りにいってほしい」と語る理由 (2ページ目)

  • 渡辺達也●構成 text by Watanabe Tatsuya

【サッカーはあくまで11人と11人の個の勝負】

 では、そのブラジルから、日本はどうやって点を取るのか。僕は、攻撃時の1対1の局面で、選手たちがどれだけたくさん勝負を仕掛けられるかが重要になると思う。3バックとか4バックといったシステムや戦術は二の次。サッカーはあくまで11人と11人の個の勝負。横パス、横パスと安全にボールをつないでいるだけではチャンスをつくれない。まずは個で勝負して勝つことがゴールへの第一歩になる。

 今の日本代表には、所属クラブと違うポジション、役割を与えられている選手が多い。そして、選手もそれに忠実に従う。攻撃的なポジションの選手も守備を厭わない。それは日本のいいところでもあるけど、ちょっと真面目すぎないかな。

 例えば、ヴィニシウスにもっと守備をしろと指示を出しても、「俺はドリブラーだ」と言って聞かないと思う。もしくは、聞いたフリをするだろう。そういうわがままな選手が日本にもひとりくらいいてもいい。

 そういう意味で期待したいのは、三笘薫と久保建英だね。ブラジルのDF陣を相手にしても仕掛けられるドリブルの能力を持った選手だからだ。チーム全体のバランスを考えてプレーするのも大事だけど、時には自分の持ち味を出すことを優先してもいい。結果として得点につながれば、誰も文句は言わないし、賞賛されるのだから。思いきったプレーを見せてほしい。

(17)>>それでも「ワールドカップ優勝」を目指すサッカー日本代表に、セルジオ越後は「根拠がなさすぎる」「謙虚にベスト8を目指すべき」

著者プロフィール

  • セルジオ越後

    セルジオ越後 (せるじお・えちご)

    サッカー評論家。1945年生まれ、ブラジル・サンパウロ出身。17歳の時に名門コリンチャンスのテストに合格し、18歳の時にプロ契約を結び、MF、FWとして活躍した。「エラシコ」と呼ばれるフェイントを発案し、ブラジル代表の背番号10を背負った同僚のリベリーノに教えたことでも有名。1972年に日本リーグの藤和不動産(湘南ベルマーレの前身)から誘いを受け、27歳で来日。1978年から日本サッカー協会公認の「さわやかサッカー教室」で全国を回り、開催1000回以上、のべ60万人以上を指導した。H.C.日光アイスバックスのシニアディレクター。日本アンプティサッカー協会最高顧問。公式ホームページ【http://www.sergio-echigo.com】

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