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サッカー日本代表が優勝したE-1について、セルジオ越後「強化にも人気向上にもつながらない。テコ入れが必要だ」 (2ページ目)

  • 渡辺達也●構成 text by Watanabe Tatsuya

【年代別の大会にするのはどうか】

 代表強化にもサッカー人気の盛り上がりにもつながらない。日韓戦ですらお客さんが入らない。果たして、このまま無理してE-1をやり続ける必要があるのか。個人的には、今の形は潮時で、なんらかのテコ入れをすべきだと思う。

 例えば、オリンピック世代(23歳以下)とかユース世代(20歳以下)の大会に変えるのはどうだろう。何度も言っているように、この大会の一番の問題は、国際Aマッチデー期間外の開催で海外組を呼べないこと。

 でも、年代別の代表なら海外組は比較的少ない。また、オリンピックに関して言えば、海外組は大会本番にも招集が難しくなっているので、国内組だけで試合に臨んでも強化の意味は大きい。さらに、参加国を日本と韓国だけにして、ホームアンドアウェーで対戦してもいい。

 いずれにしても、日本も韓国もこれだけ欧州に移籍する選手が増えた今、国内組だけでA代表の強化をするのは難しい。だからこそ両国が協力して、E-1を新たな姿に変えていくべきだろう。

 アジアは広いし、人口も多い。国の数も多いし、宗教も違う。そういうなかで足並を揃えてサッカーの強化をするのは、おそらく他の大陸以上に難しい。ワールドカップは次の北中米大会から出場国が32から48に増え、それにともないアジアの出場枠も4.5から8.5に増える。

 でも、本大会で勝てるチームがどれだけあるのかといえば、かなり厳しい予想になる。そうしたなかで、サッカーのレベル、環境が似ていて、文化も近い韓国といい意味でのライバル関係を活用すべきじゃないかな。

(13)>>E-1優勝のサッカー日本代表に、セルジオ越後「若手のアピール不足は残念。得点王のジャーメインは次も招集されて当然だ」

著者プロフィール

  • セルジオ越後

    セルジオ越後 (せるじお・えちご)

    サッカー評論家。1945年生まれ、ブラジル・サンパウロ出身。17歳の時に名門コリンチャンスのテストに合格し、18歳の時にプロ契約を結び、MF、FWとして活躍した。「エラシコ」と呼ばれるフェイントを発案し、ブラジル代表の背番号10を背負った同僚のリベリーノに教えたことでも有名。1972年に日本リーグの藤和不動産(湘南ベルマーレの前身)から誘いを受け、27歳で来日。1978年から日本サッカー協会公認の「さわやかサッカー教室」で全国を回り、開催1000回以上、のべ60万人以上を指導した。H.C.日光アイスバックスのシニアディレクター。日本アンプティサッカー協会最高顧問。公式ホームページ【http://www.sergio-echigo.com】

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