サッカー日本代表のE-1選手権での狙い ターンオーバー、システム変更はワールドカップのシミュレーションか (2ページ目)
【新戦力はどうだったか】
苦しい試合だったが、それでも勝利できたのは、第2戦で完全ターンオーバーを実施した結果だ。初戦でプレーしたメンバーには中6日の長い準備期間があったため、その間のトレーニングでチーム作りを進めることができたのだ。
来年の北中米W杯ではチーム数拡大の影響で中3日という日程もあるので、ターンオーバーが必要になる。もちろん、参加選手は違ってくるだろうが、監督・コーチ陣にとっては完全ターンオーバーを経験したことは来年の本番につながる。
さて、今回のE-1選手権は1年後に迫ったW杯に向けて新戦力を試すべき大会でもあったが、海外組も含めたサバイバルを経てW杯メンバー入りを目指すのはやはりかなりの難関だ。
3試合で5得点して優勝に貢献したジャーメイン、中国戦で再三好守を見せて日本に勝利をもたらしたGKの早川友基は大きなアピールができたはず。また、これまでも代表でプレーしてきた相馬はサイドでボールを落ち着かせ、ジャーメインの得点をアシストするなど今回のメンバーのなかでは"格の違い"を見せた。当然、これからも代表に関わり続けるだろう。
面白かったのがチーム最年少の佐藤龍之介。韓国戦の後半、押し込まれる難しい展開のなかで投入されたが、自らの役割を自覚してプレー。追加時間に右サイドでFKを得ると、佐藤はすぐにコーナー付近に顔を出してパスを引き出してキープして時間を使い、さらに相手に当ててCKをゲット。今後の代表入りは別として、そのクレバーさには感心させられた。
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