検索

サッカー日本代表のCBとストライカーはいつも人材不足 E-1で見つけた「海外組との化学反応が楽しみな新戦力」 (4ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei

【前線からのハードワークでアピール】

 攻撃陣では、垣田裕暉(柏レイソル)も気になる。

 香港戦と韓国戦に先発したこの28歳のFWは、ゴールという結果を残すことができなかった。一方で、最前線で相手CBとバトルしながら、味方選手にスペースを与えるランニングを何度も繰り返した。韓国戦でジャーメインが決めた決勝弾のシーンでも、垣田の動き出しがスペースを生み出した。

 ディフェンスの局面では、圧倒的なまでのプレスで守備の方向づけをしていく。二度追い、三度追いをして規制をかける。恐るべきハードワークを見せた。

 ワールドカップ・アジア最終予選を突破した日本代表は、ここから戦いの場を世界へ移していく。主導権を握る試合ばかりではなくなる。ボールを保持して相手を押し込むだけでなく、守備からリズムを作る試合や時間帯もある。FWの使い分けは考えるべきだ。

 187cmの高さは、上田綺世(フェイエノールト)や小川航基(NEC)、町野修斗(キール)らを上回る。海外クラブ所属の2列目の選手との関わりで、どのような化学反応が起きるのかは興味深い。

 今大会を終えた森保監督は、「国内組、Jリーグのプライドを見せてくれて、ワールドカップの選手選考が難しくなると思いました」と話した。そのためにも、国内組はJリーグで結果を残していかなければならない。圧倒的と言っていいぐらいのクオリティを示すことで、E-1選手権のパフォーマンスが世界へつながっていく。

著者プロフィール

  • 戸塚 啓

    戸塚 啓 (とつか・けい)

    スポーツライター。 1968年生まれ、神奈川県出身。法政大学法学部卒。サッカー専誌記者を経てフリーに。サッカーワールドカップは1998年より7大会連続取材。サッカーJ2大宮アルディージャオフィシャルライター、ラグビーリーグワン東芝ブレイブルーパス東京契約ライター。近著に『JFAの挑戦-コロナと戦う日本サッカー』(小学館)

【フォーメーション】2025シーズンJ1前半戦ベストイレブン

4 / 4

キーワード

このページのトップに戻る