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サッカー日本代表のCBとストライカーはいつも人材不足 E-1で見つけた「海外組との化学反応が楽しみな新戦力」 (3ページ目)

  • 戸塚 啓●取材・文 text by Totsuka Kei

【層の厚いウインガー争いに参戦】

 一方、新たな戦力を探すにあたり、中盤から前線にかけては現時点で人材不足を感じさせない。どのポジションにも複数の候補者がいて、CBのようにケガ人続出に悩まされてもいない。

 とはいえ、ストライカーはいつだって新たな人材の登場が求められる。点を取ることができている選手は、それが東アジアの戦いでも、より高いレベルでテストする価値がある。

 そうやって考えると、ジャーメイン良(サンフレッチェ広島)も「扉を開けた」と言える。大会通算5ゴールのうち4点は格下の香港から奪ったものだが、韓国戦の決勝弾は価値がある。ワンチャンスを確実に仕留めた。

 彼が起用されたシャドーのポジションでは、久保建英(レアル・ソシエダ)、南野拓実(モナコ)、鎌田大地(クリスタル・パレス)らが定位置を争う。彼らよりストライカーの血が濃いジャーメインが加わることで、組合せの幅が広がる。

 ジュビロ磐田からサンフレッチェ広島へ移籍した今シーズンは、J1リーグで4ゴールにとどまっている。クラブでは得点を取りきれていなかったが、シーズン19ゴールを記録した「去年の感覚」を呼び覚ますことができたと言う。それも、彼を招集したい理由である。

 また、ジャーメインとともに、相馬勇紀(FC町田ゼルビア)をセットで招集したい。

 韓国戦の決勝ゴールは、FC町田ゼルビア所属のウイングのクロスを、広島でプレーするストライカーが決めたものだった。得点王と大会MVPを獲得したジャーメインは、「得点するならその形かなと思っていた」と振り返るが、彼らは短い準備時間で「ホットライン」と呼べるような関係性を築いている。

 その理由を問われると、「大学で一緒にやったことがあるので」と口を揃えた。ゴールの絵を共有できる関係を、より高いレベルでテストしていいだろう。

 今大会で国際Aマッチデビューを飾ったジャーメインと対照的に、相馬は森保一監督のラージグループ枠に入っている。ただ、左ウイングバックには三笘薫(ブライトン)と中村敬斗(スタッド・ランス)の2枚看板が君臨し、伊東純也(スタッド・ランス)を右から左へスライドさせることもできる。

 このポジションには強烈なカードが揃っているが、今大会の相馬は別格の存在感を示した。三笘や中村のように縦突破も鋭いが、内側に持ち出してからのクロスが得点を生み出した。海外組とは異なるタイプとして、相馬を組み込むことに積極的となっていいはずだ。

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