林陵平が解説するサッカー日本代表のサウジアラビア戦完封劇 「先制点が決まったカラクリ」と「したたかな守備戦術」
林陵平のフットボールゼミ
サッカー日本代表はW杯アジア最終予選3戦目のアウェー・サウジアラビア戦も2-0と完封勝利。ボールを狙いどおりに運んで挙げた先制点や、相手の特徴に応じて左右のサイドで違う仕組みで臨んだ守備面など、人気解説者の林陵平氏に徹底解説してもらった。
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【ビルドアップが難しかった立ち上がり】
9月の中国戦、バーレーン戦は、ボールを保持して押し込む展開が続きました。しかし、今回のサウジアラビア戦はアウェーで先制点を取ったこともあり、その後自分たちがボール非保持で我慢する展開。そのなかで後半に追加点を挙げて2-0で勝利しました。
先制して、少し耐えながら追加点を奪えるのは強いチームなので、そういった意味でも大人のゲームだったかなと思います。
サッカー日本代表は「大人のゲーム」でサウジアラビアに勝利 photo by Getty Imagesこの記事に関連する写真を見る 日本の初期配置は3-4-2-1。ずっとこの形が続いていて、今回もこのシステムを採用しました。サウジアラビアは、前の2戦は5-3-2や3-4-2-1を使っていましたが、蓋を開けてみたら4-3-3を採用してきました。
立ち上がり、日本はボール保持の局面で前進が難しかった。サウジアラビアの3トップが日本の3バック、板倉滉、谷口彰悟、町田浩樹を見て、遠藤航と守田英正の2ボランチのところをインサイドハーフの6番と7番が捕まえる形なので、日本は真ん中からなかなかボールの出口を作れませんでした。
堂安律と三笘薫のウイングバック(WB)に対しても、サイドバック(SB)が縦方向にスライドして高い位置に出て来たので、日本としては基本的に自陣では選手が捕まえられている状況ですごく苦しかったです。
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著者プロフィール
林 陵平 (はやし・りょうへい)
1986年9月8日生まれ。東京都八王子市出身。ジュニアからユースまで、東京ヴェルディの育成組織でプレーし、明治大学を経て2009年に東京ヴェルディ入り。レフティの大型FWとして活躍した。10年に柏レイソルに移籍し、11年にJ1優勝を経験。その後、モンテディオ山形、水戸ホーリーホック、再び東京Ⅴ、FC町田ゼルビア、ザスパクサツ群馬でプレーし、20年に現役を引退。Jリーグ通算300試合出場67得点。現役時代から海外サッカー通として知られ、メディア出演多数。現在はプレミアリーグからJリーグまで幅広く解説を務め、トップランナーとして活躍中。