サッカー日本代表の攻撃的3バックシステムが中国戦で機能した理由 林陵平が深掘り解説 (2ページ目)

  • text by Sportiva

【中国のシステム変更の穴も突いた】

 後半は中国が4-4-2から5-3-2に変えてきました。日本のウイングバックがフリーになっていたところ、最終ラインを5枚にすることで三笘や堂安、久保にプレッシャーをかけたかったのだと思います。

 これによって何が生まれたかっていうと、日本はまず三笘と堂安が1対1の状況でボールをもらえる機会が増えました。前半はサイドハーフとサイドバックのふたりで対応されていたのに、です。

 また、これはシステムの構造なんですが、中国の中盤の3人の脇にスペースができた。そこで日本はここを使っての攻撃が増えました。南野拓実の2得点はそうした形で、57分の得点は南野が一旦このスペースでボールを受けて相手を引き出してから、次に三笘のパスで裏に抜けてターンから決めたもの。58分の得点は、町田がこのスペースに入っていこうとして、相手を反応させたところで中央の上田綺世へ縦パス。南野がその落としを運んで決めたものでした。

 4点目が入ったあとに、伊東純也と前田大然が入ってきましたが、伊東が戻ってきたのは日本にとって大きいですね。ゴールも取りましたし、伊東のクロスから前田もゴールを決めました。

 このような形で最後まで攻め続けて7-0。もちろん中国が思ったよりもよくなかった部分がありましたが、最終予選初戦の難しさがあったなかでこのような圧勝は自信になりますよね。

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