パリ五輪を目指すU-23日本代表 福田正博が「今回ほど予選突破が難しい状況はない」というなかで期待する選手は? (2ページ目)
【荒木遼太郎の攻撃力、山田楓喜のセットプレーに期待】
荒木は間違いなく攻撃面で中心になれる選手だ。この2シーズンほどは故障に苦しんできたが、ようやく復調してきた。苦しい時間を過ごすなかで守備への意識も高まっている。ただ、フィジカル強度の高い相手やチームとの対戦で、荒木の持つ技術の高さをどこまで発揮できるかは未知の部分だろう。それでも彼が持ち味を存分に発揮できれば、U-23日本代表がパリ五輪出場への狭き門を通過できるはずだ。
A代表はセットプレーのキッカーに課題があるが、その点においてU-23日本代表のほうが不安は小さい。そう思わせるのは、右FWに山田楓喜(東京ヴェルディ)がいるからだ。左足からの精度の高いキックは、A代表でも見たいと思わせるものがある。
左FWには佐藤恵允が入る。昨年の明治大4年時にブンデスリーガのブレーメンに進んだ。もともとフィジカル強度に定評があったが、力強いプレーで左サイドからのチャンスメイクを期待している。
1トップ候補は細谷真大(柏レイソル)か染野唯月(東京ヴェルディ)のどちらかになると思うが、現状では染野がスタメンに近いようだ。
細谷はアジアカップでA代表経験を積んだが、プレーエリアで迷いがあるように感じられる。これは推測だが、1トップとしてボックス(ペナルティーエリア)の幅のなかで動くように求められているのではないか。とくに両サイドに強力なアタッカーがいる場合は、彼らのプレーエリアを邪魔しないようにとその傾向は強まる。
私も細谷と同じようにピッチ幅を最大に使ってプレーするタイプだったが、動ける範囲がボックス幅に限定されてしまうと持ち味をうまく発揮できなくなったことがあった。細谷からも同じような迷いが感じられる。
ただ、Jリーグでは左右に流れながら得点に絡む細谷らしさを取り戻しつつある。こればかりは自身で上手に使い分けできるバランスを身につけるしかないが、U-23日本代表でも左右に流れながら細谷らしさを見せるシーンがあってもいいのではないかと思う。
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