W杯まで100日の日本代表を総点検。左SB、CF...手を加えるべきポジションは? (3ページ目)

  • text by Sportiva
  • photo by Sano Miki

ボランチ、センターバックも盤石ではない

浅田 あまり不安がないと思われている他のポジション、たとえばボランチやセンターバックには、人材はそれなりにいると思います。東京五輪からアジア最終予選にかけての話で言うと、遠藤航、吉田麻也、冨安健洋の3人は鉄板で外せない選手になっていました。実際、頼もしかったと思います。でも、中2日で6試合を戦う東京五輪では遠藤を使いすぎてしだいにパフォーマンスが落ちていき、最後の3位決定戦はひどい状態でした。

 吉田にもそれは言えることだし、冨安にいたっては疲労からかケガが多くなってしまった。板倉滉が成長しているのは間違いなく、杉山さんが言う上り馬的選手かもしれませんが、ときどき軽いプレーを見せることがあって、1試合ならともかく、3試合、4試合となると不安があります。だからこそこれまでにもっといろいろなテストをしておくべきだったし、たとえば守田英正のアンカー起用というのもやっておくべきでした。

杉山 ディフェンシブハーフに関して言うと、4-3-3はアンカーがひとりで、4-2-3-1はボランチがふたり。僕は、4-3-3は交代5人制のサッカーには合っていないと思うんです。それは、4-3-3だとアンカー(遠藤)が代えにくいから。4-2-3-1なら、個人ではなく、ボランチ2人の組み合わせで"色"を調整できる。選手を使い回しやすくなる。

 このまま遠藤ひとりでいったら、3戦目のスペイン戦の後半はガタガタになるのではないか。その時点で板倉をポンと入れても、うまくいくとは思えません。グラデーションをかけるように選手を使い回せるかがポイントになる。特定の選手に負荷を負わせないという意味では4-2-3-1のほうが適していると思います。1トップと1トップ下の関係も含めて、4-2-3-1の可能性をもう少し追求したほうがいいと思います。

――開催国カタールや日本以外の国についてもひと言、お願いします。

浅田 カタールというのは日本の選手にとってはなじみの深い国です。2011年のアジア杯に出場した選手はさすがに少なくなってきたけど、UAEなど近隣の国を含めれば、W杯予選や年代別の大会などで多くの選手が経験している。欧州や南米の選手より環境や雰囲気には慣れていると思います。ある種の地の利があるのだから、それを生かしてほしいです。あと、8つのスタジアムはほぼ新設なので、それも楽しみですね。今回は移動がラクだから、見ようと思えばすべて回れる。

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