サッカーにリフティングはいらない? 下手でも日本代表になった選手の考え
ボールを地面に落とさずに、足で突きつづけるリフティング。サッカーのトレーニングではよく見かける光景だが、リフティングがたくさん回数できるからといって、サッカーがものすごくうまくなるという話は聞かない。そして、試合ではこのリフティングをする場面がない。果たしてこの謎のプレーは、サッカーに必要なのか?
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リフティングはサッカーの上達に必要なのだろうか?
「いくらリフティングがうまくても、サッカーが下手な人はたくさんいる」
「いやいや、ボールフィーリングを養うために、リフティングは欠かせない」
など、様々な意見が存在する。
久保建英がビジャレアル入団会見時で披露したリフティング。たしかに、上手だとこういう時に映えるだろうが...... テレビ番組などを見ても、サッカー選手が巧みなリフティングテクニックを披露することは珍しくなく、「サッカー選手=リフティングがうまい」というイメージを持つ人が大半だろう。
日本代表として2002年の日韓W杯、06年のドイツW杯に出場し、4度のJリーグベストイレブンに輝いた福西崇史氏は「リフティングが苦手」で、子どもの頃は「100回もできなかった」と話す。
「小学生の頃から、チームのなかで(リフティングは)上手なほうではなかったですね。だからイベントなどで『リフティングをやってください』と言われると、めちゃくちゃ緊張します。リフティングで、足をくるくる回したりするサッカー選手は多いけど、僕はできないので(笑)」
福西氏がサッカーを始めたのは、小学4年生の時。いまどきの子に比べると、はるかに遅いスタートである。
「子どもの頃は兄の影響で器械体操をやっていました。中学1年生の前半までは、サッカーと掛け持ちをしていました。池谷幸雄さん、西川大輔さん(共に88年ソウル五輪、92年バルセロナ五輪で活躍)などが活躍されていた頃で、オリンピックを目指して競技の道に進もうかと考えたこともありました」
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