井原正巳が驚いたファルカンのドーハ組解体。合宿は「毎回ヘトヘト」 (2ページ目)

  • 佐藤 俊●取材・構成 text by Sato Shun
  • 高橋 学●撮影 photo by Takahashi Masabu

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 だが、井原は最初のメンバー選考で、いきなり世界基準の"違い"を見せつけられた。ファルカンが選出した日本代表のメンバーは、前年のアメリカW杯予選を戦った『ドーハ組』からはカズ(三浦知良)や柱谷哲二、井原ら9名。ほかの13名は若く、新しい選手がメンバー表に名を連ねたのだ。

「メンバーはほぼ一新ですよね。(ハンス・)オフト(前監督)の時の流れを断ち切るというか、あのチームを一回バラして、フラットにしてつくり直す意図があったのかなと思います。選考もブラジル人監督は一般的に若い選手が好きですし、あの時は日本の選手をよく知らなかったと思うので、試合を見て、自分の基準でいいと思う選手を入れて使っていく大胆さが見えました。でも、正直、ここまで変わるかと驚きましたね」

 新しいメンバーに選出されたのは、前園真聖、岩本輝雄、遠藤昌浩らだった。あまりにも劇的にメンバーが変わったことで、「日本代表の重みが失われた」という声があがったり、若い選手の経験不足の点などから、総合的な戦力を不安視する声が多かった。

「『ドーハ組の選手をもっと入れたほうがいい』とか、そういう声もありましたし、基準について疑問に思うこともあったけど、逆に監督の色がすごく出ているなって思いました。メンバーに入ってきた選手を見ると、たとえばゾノ(前園真聖)とか、前への推進力のある選手が多かった。DFは守備だけじゃなく、攻撃もしっかりできる選手。サイドバックにテル(岩本輝雄)や遠藤(昌浩)、森山(佳郎)を起用していましたからね。

 僕個人としては、新しい監督のスタートで若い選手の突き上げがあったので、また競争が始まるなっていう意識でした。僕は中堅でしたけど、チームをまとめるとか、そういうところはテツさん(柱谷哲二)にお任せしていました(苦笑)」

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