大勝のジャマイカ戦、A代表での経験を生かした主将・中山雄太の決意 (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by Getty Images



 きっかけは、0−2で敗れた11月17日のU−22コロンビア代表戦だった。

 堂安律(PSV)、久保建英(マジョルカ)、板倉滉(フローニンゲン)といったすでにA代表に選出されている選手たちも加わり、このチームにとって国内初の強化マッチだったにもかかわらず連係不足を露呈し、ほとんど見せ場を作れないまま、スコア以上の完敗を喫した。

 その試合のあと、中山は課題として「コミュニケーションの少なさ」について言及すると、さらにこんな決意を明かした。

「僕はA代表に呼んでもらったことがありますが、(A代表と五輪代表では)コミュニケーションの量と質に違いがある。(A代表では)相手に対して『ここがこう空くよね』っていう話もしますし、勝つことから逆算して、何が必要なのかを考えている。そこは差があるかなって感じました。そこに気づいたからにはやるしかない。キャプテンマークを巻かせてもらっているからには、言う責任がすごくあると思います」

 それから1カ月と少し、今回のキャンプで中山はその決意を実行に移したのだ。

 2シャドーの生かし方、ワイドの使い方、ビルドアップの仕方など、攻撃のイメージが深く共有されたこのジャマイカ戦で、しかし、選手たちが最も手応えを掴んでいたのが、前線からのプレッシングだった。

 最前線の前田やシャドーの安部が迫力を持ってボールを奪いに行くと、後ろの選手たちもついて行く。何度かハマらず剥がされることもあったが、ディフェンスラインが高い位置を取り、全体の陣形をコンパクトにしているから、2列目、3列目が次々と襲いかかったり、前田がプレスバックすることができた。

 3バックの中央でラインをコントロールした岡崎慎(FC東京)が説明する。

「昨日の選手ミーティングで(安部)裕葵とかが『前から行きたい』という話をしていて、自分もその意見に賛成した。3で同数になっても守らないといけないというか、正直ワイドが落ちて5バック的になるのは自分も嫌だった。

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