2019.12.04

ベレーザがアジア王座獲得。なでしこジャパンに与えるプラスの影響は

  • 早草紀子●取材・文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 初めての試みとなるパイロット版のFIFA/AFC女子クラブ選手権(韓国・龍仁)で、日テレ・ベレーザが初代アジアクラブ女王に輝いた。日本以外はオーストラリア、中国、韓国から昨シーズンのリーグ優勝チームが参戦した。

アジアでも強さを発揮した日テレ・ベレーザ 急遽降って湧いた大会だっただけに、対戦相手の情報収集など間に合うはずもなく、何よりベレーザには超過密日程が課せられていた。国内ではすでに皇后杯が開幕しており、ベレーザは皇后杯2回戦を戦った11月23日から、順調に勝ち上がりを想定した場合、16日間で海外遠征3試合を含む6試合の連戦になる。

 さらに、主力11名は9日からEAFF E-1女子選手権開催のため、なでしこジャパンとして再び韓国へ遠征する強行日程。それでも選手たちは、ベレーザとして海外チームと対戦する舞台を待ち望んでいただけに、初代アジアクラブ女王のタイトル奪取への高揚感を抱いての参戦だった。

 初戦の江蘇蘇寧足球倶楽部(中国)戦では、アフリカ・マラウイ出身のスピードアタッカー、タビサ・チャウィンガにカウンターから早々に失点をするという想定外のスタート。すぐさま田中美南のゴールで試合を振り出しに戻すもマンツーマンでマークにくる相手に手こずり、スコアは動かず。ドローに終わったこの一戦は選手たちにとって、そのあとに戦った仁川製鉄レッドエンジェルス戦(韓国/2-0)、メルボルン・ビクトリー(オーストラリア/5-0)の完封勝利よりも印象に残ったようだ。インサイドハーフとして出場した長谷川唯はこう振り返る。

「マンツーマンでマークにきて、最後はブロックで守る相手に対しての崩し方はまだまだアイデアが足りない」

 失点して初めて相手のスタイルを把握し、同点にしてからは、リスクを冒してまでボール奪取に来ない相手に対して膠着状態になった。ピッチ上で長谷川はわずかな時間を見つけては近くの選手たちと話し合っていたが、突破口が見出せなかったことを悔いる。

 それでも続く2戦目、3戦目では、持ち前のポジショニングのよさと的確なパス配球に手応えも掴んだ。

「球際が強い仁川が相手でもボールを取りにいって、ショートカウンターにつなげる得意なプレーはできた」(長谷川)