森保ジャパンはパラグアイ戦の前半と後半で「違う顔」を見せた (2ページ目)

  • 中山淳●取材・文 text by Nakayama Atsushi
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 強いて予想外のスタメン起用を挙げるとすれば、3月のボリビア戦から6月の2試合まで3戦連続で先発していたGKシュミット・ダニエルではなく、権田修一が起用された点、柴崎岳とダブルボランチを組む相手が遠藤航ではなく、評価を上げている橋本拳人になった点だ。どちらも驚きではなく、手堅さが特徴の森保監督らしい采配と言っていい。

 それを考えると、ミャンマー戦も、おそらくパラグアイ戦のスタメンがそのまま名を連ねる可能性が高い。負傷以外の理由で変更があるとすれば、柴崎のパートナー役が橋本ではなく遠藤になる可能性くらいか。また、劣悪なピッチコンディションを考慮すれば、GKはビルドアップが持ち味のシュミット・ダニエルより、堅実な権田か川島永嗣を起用するのが妥当だろう。

 このメンバーは、1月のアジアカップのAチームとほぼ同じだ。唯一変更されたポジションは、同大会を欠場した中島を除けば、ボランチ1枚のみ。ミャンマー戦で遠藤がスタメンに復帰すれば、中島以外は約8カ月前のスタメンが再結成されることになる。これを就任から1年間のチームづくりの蓄積と見るか、新戦力が台頭していないことによるメンバーの固定化と見るかは意見が分かれるところだが、現状ではどちらも当てはまる。

 いずれにしても、日本代表は、ミャンマー、モンゴル、タジキスタン、キルギスと同組という恵まれすぎたグループを、就任半年後に固まったベストメンバーを基本に来年6月まで続く2次予選を戦う可能性は高い。

 一方、今年2月に就任したばかりのエドゥアルド・ベリッソ監督率いるパラグアイは、チームの骨格づくりの真っ最中。来年3月から始まるW杯南米予選に向けた強化を進めている。6月のコパ・アメリカでは準々決勝のブラジル戦でPK戦の末に敗退したが、アルゼンチンと引き分けるなど、伝統の堅守は健在だ。

 ベリッソ監督といえば、マルセロ・ビエルサ監督の系譜を継ぐマンマーク・ディフェンスを基本とする緻密なサッカーがトレードマーク。セビージャを率いた時に前立腺がんの治療で現場を離れたこともあったが、復帰後もそのスタイルは変わらず、この試合でも立ち上がりから強度の高いディフェンスでペースを握った。

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