中田英寿も経験した舞台で成長を。
U-17日本代表、W杯へ視界良好 (2ページ目)
しかも、幸いなことにと言うべきか、組み合わせ抽選の結果、日本がグループリーグで対戦することになった3カ国は、対戦順にオランダ、アメリカ、セネガルと強敵ばかり。とりわけ初戦で対戦するオランダは、U-16ヨーロッパ選手権を制した欧州王者で、優勝候補と目される存在である。
もちろん、彼らとの対戦が、若い選手には貴重な経験となるのは間違いないが、それで満足するのではなく、ひとつでも多く勝ち上がって、より経験値を高めたいところだ。
流経大との練習試合にしても、「しばらく強い相手とやっていなかった」(森山監督)というチームにとっては、いわば、世界大会本番を想定したシミュレーションである。
森山監督は、「(1本目のような)自分たちがボールを動かせない時間が多くなったときに我慢して、(自分たちがボールを保持して押し込んだ)2本目のような時間を増やせれば、自然と流れを持ってこられる」と語り、こう続ける。
「(失点を喫した)1本目や(3本目の)終了間際に、相手が圧力をかけてきたところでは課題が出た。(相手の圧力が)少し緩んでくると(自分たちのプレーが)できるのはわかっているので、できるだけ早く、そこに持っていくことが重要になる」
すでに記したように、活動機会が限られるなかで、これまで思うようなチーム作りができたわけではない。
当然、そこでは個々のレベルアップが不可欠であり、森山監督は、今回のキャンプで選手たちに課題を明示したうえで、「自分たちのチームに戻って、本番で通用する自分を作ってきてくれ」と話している。最終的には「(本番)直前の1週間で、何とか(チームを)まとめる作業をしたい」というのが実情だ。
にもかかわらず、森山監督の表情や言葉からは、どこか余裕が感じられるのは、前回大会での経験が大きく影響しているからだろう。
前回大会の決勝トーナメント1回戦。日本はイングランドにPK戦の末、敗れることになるのだが、最終的にこの大会を制することになる優勝候補との試合を前に、森山監督は「どんなゲームになるんだろう? と思っていた」という。
だが、今は違う。
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