久保建英はエクアドル戦で先発濃厚。
森保Jは未来を切り開け

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 エクアドル代表の顔と言えば、まぎれもなくアントニオ・バレンシアである。

 2009-2010シーズンからマンチェスター・ユナイテッドに10年間所属した快速ウインガーは、爆発的なスピードでサイドを攻略するだけでなく、代表チームではキャプテンとしてチームをまとめ、右サイドからゲームメイクする大黒柱だ。

エクアドル戦に向けてトレーニングに励む久保建英エクアドル戦に向けてトレーニングに励む久保建英 もっとも、コパ・アメリカ第3戦で日本が最も警戒しなければならないのは、同じバレンシアでも、アントニオではなく、エネル(ティグレス)のほうかもしれない。

 身長174cmと大きくないが、4-2-3-1、もしくは4-3-3のセンターフォワードを務め、柔らかいボールタッチと強力シュートでゴールを陥れる。ボールの引き出し方も巧みで、エルナン・ゴメス監督が再任した2018年8月からコパ・アメリカの開幕前までの10試合で7ゴールを奪い、今大会でもチリ戦でネットを揺らしている。

 先発が予想される日本のセンターバック、植田直通(セルクル・ブルージュ)と冨安健洋(シント・トロイデン)が今大会の2試合でマッチアップしたチリのニコラス・カスティージョ(クラブ・アメリカ)、ウルグアイのルイス・スアレス(バルセロナ)とエディンソン・カバーニ(パリ・サンジェルマン)とは異なるタイプ。

 果たして、この狡猾なストライカーを封じ込めることができるのか――。エクアドル戦2日前、冨安は「2試合で6失点は厳しい。次こそゼロに抑えたい」と覚悟をにじませた。

 エクアドルの国民の多くは白人と先住民との間に生まれたメスティーソだが、代表チームに関してはアフリカ系の選手が多い。スタイルは堅守速攻で、黒人選手の身体能力を最大限に生かしたサッカーを展開する。

 組織力に優れたチリやウルグアイとはスタイルが大きく異なり、ある意味で洗練されていないサッカー。しかし、だからこそ「難しい」と言うのは、ウルグアイ戦で好パフォーマンスを見せたベテランGK川島永嗣(ストラスブール)だ。

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