2019.06.09

「森保式3バック」が機能するカギは
「ミシャ式」を知る原口元気だ

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by Getty Images

 6月5日のトリニダード・トバゴ戦で初導入された3−4−2−1の共通理解を、どこまで高められるか――。それが、エルサルバドル戦の大きなポイントと言っていい。

「最低限の守り方くらいしかトレーニングできていない」

 トリニダード・トバゴ戦のあと、ある選手が語っていた。実際、2日の日曜日に集合し、3日後に試合を迎えたわけだから、戦術練習の時間がほとんどなかったのも当然だろう。

ウイングバックで出場しそうな原口元気のプレーに注目

 森保一監督がかつて指揮を執ったサンフレッチェ広島では、攻撃時にボランチを下げて4バックにして攻撃を組み立てていたが、現在指揮を執るU-22日本代表では、「ボランチが必ず下がる必要はない。状況を見て」と、3バックのままビルドアップさせるなど、臨機応変にプレーさせている。

 では、A代表は――? そのあたりはまだ、見えていない。

 森保式3−4−2−1(※)の大きな特徴であるメリハリのある可変――守備時には5−4−1、攻撃時には4−1−5や3−2−5になる――もあまり見られなかった。

(※)現在北海道コンサドーレ札幌の指揮をするミハイロ・ペトロヴィッチ監督が広島を率いたときの布陣を、後任の森保監督も継承した。

 自陣でブロックを敷く際には、広島時代もU-22日本代表も5−4−1で守備ブロックを築かせていたが、トリニダード・トバゴ戦のあと、3バックの右を務めた冨安健洋(シント・トロイデン)は、「なるべく5枚にしたくない」と言った。実際、5日のゲームでは片方のウイングバックだけを下げて、4枚で守る場面もあった。

 共通理解が進んでいないのか、それとも、A代表ではより一層、臨機応変にプレーすることが求められているのか……。このあたりも、エルサルバドル戦で確認したい。

 3−4−2−1という”伝家の宝刀”を抜くうえで、広島時代に指導し、代表の常連だった青山敏弘と佐々木翔のふたりが不在なのは、森保監督にとって痛恨事かもしれない。

 また、戦術面において”双子”と言える「ミシャ」ことミハイロ・ペトロヴィッチ監督のもとで長らくプレーした槙野智章(浦和レッズ)も、エルサルバドル戦の前日に負傷離脱が決まった。