2019.06.05

ゲンク・伊東純也が明かす
「プロになれる」手応えをつかんだ瞬間

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • 渡辺航滋●撮影 photo by Watanabe Koji

ゲンク・伊東純也インタビュー@前編

 伊東純也が日本に帰ってきた。わずか3カ月半前、戦いの場を日本からヨーロッパに移すと、シーズン途中で加入したゲンクでいきなりリーグ優勝に貢献し、ベルギー国内で強烈なインパクトを残した。そして6月、日本代表メンバーに選ばれ、凱旋帰国。右肩上がりで成長している伊東の今に迫った。

異国の地にすっかり馴染んだ伊東純也―― まずはゲンクでの優勝、おめでとうございます

伊東純也(以下:伊東) ありがとうございます。

―― シーズン最後のスタンダール・リエージュ戦の試合後、「大学(神奈川大学)に行ってなかったら、今の僕はなかった」と言っていたのが印象的でした。

伊東 僕は普通の公立高校(逗葉高校)出身ですから、卒業してもすぐにプロになることはできませんでした。同級生に小野裕二(サガン鳥栖)がいましたが、彼は横浜F・マリノスのユース所属でサッカー部じゃなかった。うちのサッカー部からプロになった選手なんて、いなかったんですよ。

―― 両親の方針で公立に行ったんですか?

伊東 そうです。僕は、家から高校に通いたかった。中3の時、逗葉は高校選手権・神奈川県予選の決勝まで行ったんです。まあまあ強い学校なんですが、僕の在校時は最高でベスト8でした。

―― チームがそれほど強くなくても、個の能力が認められて県のトレセンに選ばれたら、プロになるチャンスもあったのでは?

伊東 国体のセレクションに呼ばれたんですが、全部断っていました。

―― それは、なぜ?

伊東 行きたくなかったから。

―― えっ!?

伊東 自分は早生まれなので、一学年下のセレクションに呼ばれたんですが、友だちがいないから行かなかったんです。

―― 当時の伊東選手は、周りに知っている人がいないと駄目な性格だったんですね。それを思うと、今、親元を離れてベルギーでひとり暮らししているのは、すごいことですね。

伊東 みんな、ビックリしています。

―― プロサッカー選手になる欲は、神奈川大学の在学中に生まれたのですか?

伊東 欲というか、「プロになれる」と思ったのが、神奈川大学の時でした。