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スペインの慧眼が指摘。森保Jの
課題は「敵が強度を上げたときの対応」 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Yamazoe Toshio

 システムは同じ4-4-2。コンセプトも変わっていない。しつこく激しくプレッシングを仕掛け、機動力と技術の高さを生かし、コンビネーションで攻める。

 前半は、日本が優位に試合を進めた。前線からの積極的な守備でボールを奪い返し、堂安律(フローニンゲン)がシュートを狙う。右サイドの攻撃は活発。ボランチの柴崎岳(ヘタフェ)から有効なパスも出ていた。右サイドバック、室屋の攻め上がりのタイミングも、オフサイドを取られたものの、決して悪くない。ただ、クロスの精度が低かった。

 特筆すべきは、ロシアW杯から私が指摘していたコーナーキックのバリエーションが増えていた点だろう。これまでは、単純に高いボールを直接入れすぎていた。『ショートコーナーを使うべき』と主張してきたが、この日は積極的に短くつなげ、相手の守りを撹乱していた」

 エチャリは変化、成長を評価し、目立った選手についても名前をあげた。

「一番目立ったのは、中島翔哉(アル・ドゥハイル)だろう。積極的に攻撃に関与し、中心だった。コンビネーションのなかでその技術を生かしていた。鈴木へのクロスの質などは非常に高かった。周りを生かすだけでなく、自らが生きる形でパスを受け、シュートに持ち込むプレーでもクオリティを見せつけた。

 日本はW杯と同じく、悪くない入り方をしたと言えるだろう。しかしチームとして10本以上もシュートを打ち込みながら、得点できなかった」

 エチャリはそう言って、後半、戦いの流れが一変した事情を説明している。

「コロンビアはお互いのサポートの質を高め、ボールを握る力を強めた。同時に、猛烈なプレッシングで日本のビルドアップを分断。プレー強度が変化した。さらにギアが上がったのが、後半12分のサパタの投入だろう。ハメス・ロドリゲス(バイエルン)が右に回って、ラダメル・ファルカオ(モナコ)とのツートップで、攻勢を強めた。

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