2019.03.29

香川真司、森保Jでほろ苦デビュー。
いま必要なことは?

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Fujita Masato

 日本対ボリビア戦、香川真司(ベシクタシュ)が地元の神戸で久々に先発出場した。キャプテンマークを巻いてひときわ大きな声援を浴びてピッチに登場したが、そのプレーは期待どおりとはいかなかった。

 香川が退いた直後に中島翔哉(アル・ドゥハイル)、堂安律(フローニンゲン)、南野拓実(ザルツブルク)という森保ジャパンおなじみの3枚が揃うと、それまでの停滞ムードは一変。相手のミスを起点に中島のゴールが決まり、それが決勝点となった。相手が疲れてきた時間帯に前線が一気に変われば流れは変わるものだが、それを差し引いても、変化は明らかだった。

ボリビア戦にトップ下で先発、後半23分までプレーした香川真司 日本代表においても、香川はドルトムントで直面していた問題と、ほぼ同じ状態に置かれているように見える。周囲のスピードをどう生かしていくのか、また自分がどう生かされるべきなのか、プレーをとおして見えてこないのだ。

 ドルトムント時代に、スピードが持ち味のピエール・エメリク・オーバメヤン、ヘンリク・ムヒタリアン(現在はともにアーセナル)とプレーしていた時期に始まり、最近ではクリスティアン・プリシッチ、ジェイドン・サンチョ、マルコ・ロイスらとの共存に苦労した。香川が出場して攻撃の中心になっている時間帯は、緩やかにパスをつないでいるだけに見える。迫力がなく、ゴールになかなか向かうことがない。

 このボリビア戦も、香川のシュートはゼロだった。

 ドルトムントでも、決してずっとうまくいかなかったわけではない。昨季のシーズン後半などは、ドルトムントの浮沈は、ピッチに香川が存在するかどうかによって左右されていた。監督交代とともに香川が重用されるようになるとチームの状態は上向きになり、香川が負傷して出場できなくなってからは停滞した。