何度でも見直したいベルギー戦。「後世に語り継ぐべき歴史的な試合」 (3ページ目)

  • photo by JMPA

倉敷 次の失点はその5分後、アザールのクロスからフェライニの高さを使われました。あれは防ぐのが難しい失点でしたが、ベルギーの引き出しの多さに、日本は長く混乱してしまったままでしたね。

中山 そういう意味で、日本には状況を変えるチャンスが2回あったと思うんです。まずマルティネス監督が2枚替えを行なった後、そして1点差に詰め寄られた後のタイミングです。でも、いずれも西野朗監督は見ているだけだった。

 ただ、4試合を通してその傾向が続いていたので、それも今回のチームの運命といえるのかもしれませんね。とはいえ、同点になって以降はベルギーが延長戦を視野に入れたのか、少し攻撃のギアを落としてくれた印象があったので、そこは救われたと感じました。

倉敷 そして日本は、延長戦に入るかギリギリのところでつかんだチャンスに賭けました。アディショナルタイムは4分、大迫に対するヴァンサン・コンパニのファールで本田圭佑がフリーキック。あわやという期待を抱かせましたがティボー・クルトワがファインセーブ。続く日本の左サイドからのコーナーキックもキャッチされて、クルトワはすぐにリスタート。デブライネ、トマ・ムニエ、ルカクのスルー、シャドリのゴールという完璧な高速カウンターが決まり、「負けた」と思いました。悔しかったですね。

中山 本田の惜しいフリーキックの後ということで、少し日本に勢いが出たと感じていた時のコーナーキックでしたね。あの時、吉田麻也と昌子源が2人ともゴール前にポジションをとっていたので、それを見て思わず「これはひょっとしたら、ここで決勝点が生まれるかもしれない」と期待をしてしまいました。

 普通ならそれがラストプレーかもしれなかったので、万全を期してCBのどちから1人は後ろに残っているべきだったと思いますが、僕自身もその時は守備よりも日本の得点の方に頭がいってしまいましたね。

 そうしたら、倉敷さんがおっしゃったような完璧なカウンターによって......。あの時は5対3のような状況になって、昌子は真っ先にシャドリのことを視界に捉えて全力疾走でゴール前まで戻ったんですが、最後の2、3歩だけ及びませんでした。

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