2018.05.30

崖っぷちに立つ香川真司。
「日本の10番はオレだ!」と証明できるか

  • 了戒美子●文 text by Ryokai Yoshiko photo by Koji Watanabe/Getty Images

 日本代表の真の10番は誰なのか。西野ジャパンの初陣であるガーナ戦で、香川真司はそれを証明しなくてはならない。10番を与えられてはいるが、いまもW杯メンバーは競争の最中であり、ザックジャパン以来、10番を背負ってきた香川も本大会のメンバー入りが保証されているわけではない。

 ガーナ戦の前日練習後、「香川真司は大丈夫なのか、という声もあるが?」という質問に「逆にどう思います?」と聞き返すシーンがあった。質問者は「いや、いいと思いますけど」と返したが、そう言うしかなかった。それを受けて香川が続けた。

日本代表の合宿、ランニングで汗を流す香川真司「個人としては問題ないと思っている。いろいろな見方があるので、それは自由ですけど。ただ、集中しなきゃいけないのは自分自身で、自分自身がどう感じるかを問いただしてやっていきたいと思います」

 その表情は、笑顔こそないが、毅然としつつ自然体だった。かつてチームメイトが「真司は顔を見ればその日の調子がわかる」「練習のワンタッチに調子が出る」と言っていたほど、自分の状態を隠し切れないのが香川である。そうだとすると、それほど悪い状態ではないのだろう。

 とはいえ、記者にそんな質問をさせてしまうような状況にあるのは間違いない。

 今回の合宿で西野朗監督がテストしている3-4-3のシステムの練習で、香川はサブ組にまわった。3トップの両サイドはワイドに開くのではなく、シャドー気味に1トップに近い位置でプレーする。香川にとってはもっとも特長を活かせるシステムのひとつだが、主力と思われる組でプレーしたのは香川ではなく、宇佐美貴史だった。宇佐美は西野監督の愛弟子でもある。