ミスミス癖を治せ。トルコに逆転負けのU-21日本代表が抱える課題 (3ページ目)

  • 山口裕平●文 text by Yamaguchi Yuhei photo by Guillaume Ruoppolo/Icon Sport/Getty Image

 試合の流れを変えることになった1失点目は、非常にもったいないものだった。実力が拮抗したチーム同士の試合でこのようなミスを起こせば、そのツケは払わなければならない。

 もちろん、ボールを大切にするサッカーをしている以上、自陣深くでボールを失うリスクは常につきまとう。このチームがこのサッカーを追求するのであれば、避けては通れない。だからこそ、リスクを負うのか負わないのかの状況判断が非常に大切になってくる。

 問題は、このチームが同じ形の失点を繰り返していることだ。そのことについては、「これまでと同じような形で失点してしまって、もちろんこれはずっと課題」(横内明展監督代行)、「今回の試合に限らず、今までの活動の中で、ああいった自陣のちょっとしたミスですぐ失点になってしまったことは何度かあった」(中山)、「毎遠征、ああいう失点の仕方をしている」(三好)と、チーム内で問題意識を共有して持っている。

 しかし、改善がなされていない。主としてそれは経験不足からくるものだろう。相手が強くなるほど、"このくらいなら大丈夫だ"と思っても、予想外のところから足が伸びてきてボールを奪われるというような事態は起こり得る。それを経験するために海外へ出向いて試合をしているわけだ。

 とはいえ、「試合前のミーティングでもそういう(自陣深くでのミスは避けるという)話はあった」(中山)というなかでミスが出てしまったのであれば、何かを大きく見直す必要があるだろう。

 また、1失点目が嫌な形だったとはいえ、そこから大きく流れが変わったのは、同点に追いついたことでトルコが勢いづいた部分もあったが、それ以上に日本が大きく崩れてしまったからだ。PKを与えてしまったプレーも、特に慌てるような場面ではなかった。さらに言えば、せっかくPKを切り抜けたにもかかわらず、悪い流れを変えられずに2分後に失点してしまった。

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