2017.12.13

もう「ハリル型」の監督はゴメンだ。
前半27分で一変した中国戦に思う

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki 山添敏央●写真 photo by Yamazoe Toshio

 中国人選手は縦に速く、しかも大型だ。デュエルにも長けている。そうした相手に同じ戦法でガチンコ対決を挑めば、日本らしさは失われる。そもそも理にかなっていない。ファンの共感も呼ばない。わざわざ苦戦するサッカーをハリルホジッチは選択している印象だ。

 しかし、立ち上がりは別だった。試合開始から前半27分まで、日本はずいぶんソフトなサッカーを展開した。ボール支配率もおそらく70%は超えていただろう。内容で中国を大きく上回った。一方、ハリルホジッチ色はせいぜい50%止まり。残る50%はザッケローニ的であり、アギーレ的だった。過去のいいところがいい感じでブレンドされた、悪くないサッカーを展開した。それがハリルホジッチ色100%に一変したのは、大島僚太の負傷退場と深い関係がある。

 奪ったボールが大島のもとに入ると、慌てた感じ、暴れた感じは、吸い取り紙に吸収されるかのようにスッと消えた。論理的に進んでいきそうで、次なる展開に期待が高まった。

 現在の日本の選手のなかで1、2を争う技巧派だ。小野伸二、中村俊輔、遠藤保仁はまだ現役を続けているので、「代表入りの可能性を残す選手のなかでは」となるが、大島が彼らの流れを汲む選手であることは間違いない。今季のJリーグで、高度なトラップ技術とパスワークを武器に、川崎フロンターレ優勝の立役者になったことは言うまでもない。