スペインの知将がイラク戦に直言。「日本は主導権を捨てたのである」 (4ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki photo by Amin M Jamali/Getty Images

 72分、遠藤がインターセプトを狙い、距離をつめると、その裏をかかれてパスを通され、DFラインが攻撃に晒される。身体を投げ出し、どうにか事なきを得たかと思われたが、GK川島(永嗣)と吉田(麻也)が一瞬"お見合い"したところをつつかれ、カミルに押し込まれた。

「川島と吉田の連係ミスだ。率直に言って、言い訳のできないミスだろう。しかし、試合の流れとしては驚きはない。

 失点後、日本が決定機を創り出せなかった事実は深刻だ。終了直前のロングスローを、エリア内で吉田が落としてから本田がシュートしたのが限界。前線は、ダイアゴナルに走る動きを増やす必要がある。それに合わせ、サイドバックもより高い位置を取るべきだ」

 そう言ってから、エチャリは試合を総括してこう繰り返した。

「全体として、セカンドボールの意識を高める必要がある。ただ、それは選手のポジション的優位を高めることと同義なのだ。イラク戦は、選手間の距離が悪かった。これでは戦術は機能しない。

 暑さなどの影響もあるだろうが、奪ってから攻撃に移るトランジションも、本来のものではなかった。また、采配としては、後半に今野(泰幸)、倉田(秋)を入れても何も好転しなかった点はマイナスだろう。しかしアウエーでポイントを稼いだ点は悪くはない。残り2試合、幸運を祈る」
(イラク戦の選手評価に続く)

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