北川ひかる、ほろ苦いなでしこデビュー戦も「自信を持って帰りたい」 (4ページ目)

  • 早草紀子●取材・文・撮影 text&photo by Hayakusa Noriko

 スペイン戦では、相手のプレッシャーに押される選手が続出する中、北川はかなり早い段階で順応していた。39分には、所属するバルセロナFCでも個人技で魅せる174cmのジェニファー・エルモソを、北川が空中戦でねじ伏せた。惜しくもファウルを取られたが、北川が得意とする空中戦が、世界でも通用するレベルに近いことを示している。それでも「あれはファウルにしない競り方をしなければいけない」と反省を口にした。

 守備においてはスペインの中盤5枚を、数的に少ない中盤4枚でどう抑えるのか、守備全般に共通意識を欠く中で、北川も「迷いが生じた」と振り返る。そこを改善するためのカギが、最大の課題である"声出し"だ。

「大部(由美)コーチからも声(指示)を出せ!って試合中に言われていたんですけど、どうしても......」

 今は指示まで手が回らないというのが本音だろう。次に北川の声が聞こえたとき、それは周りの展開スピードを受け入れているということ。壁をひとつ乗り越えたという証になる。課題も噴出し、スペインという難敵相手のなでしこデビュー戦であったが、本人は悔しそうだ。

4 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る