課題だらけでも、U-19日本代表が初のアジア王者になった意味 (4ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐藤博之●撮影 photo by Sato Hiroyuki

「守備はゼロで抑えてくれたので、課題は攻撃。自分も含めて、今日の試合はフィニッシュのところまでもいけなかった。その前の精度が低かった。そこは改善しないと、世界ではやっていけない。今日は攻撃としては何もできてないなと思う」

 MF三好康児(川崎フロンターレ)がそう語っていたように、確かに得点ができないまでも、もう少し攻撃でリズムを作れていれば、ここまで一方的な展開になることはなかったはずだ。セットプレーで点が取れていた準決勝までは目立たなかったが、大会全体を通じて攻撃の組み立ては物足りなかった。

 一方、結果として無失点で優勝したとはいえ、守備の面でも課題は残る。中山は、自らのミスで決定的なピンチを招いた場面を振り返り、「悔いが残る。冷静でいようと思っていたが、やっぱり(相手の)圧力や、(会場の)雰囲気に自分が飲まれてしまった時間帯もあった」と語り、こう続けた。

「無失点で終われたが、ピンチもあったし、そのなかには決定機もあった。攻撃も課題だが、守備にしてももっともっと強固にしなければいけない」

 大会全体を振り返れば、突っ込みどころはたくさんある。正直に言って、決勝は負け試合。初優勝を素直に喜びにくい試合内容だった。

 とはいえ、すべてを一足飛びに越えていくことなどできない。

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