ナイジェリアの穴は「最終ライン」。五輪サッカー初戦は分析完了

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by Getty Images

 日本が「久保裕也の招集問題」で揺れている間、ナイジェリアはもっと大きな問題を抱えていた。米国アトランタで合宿を張っていたが、ナイジェリア・サッカー協会が資金難のために飛行機のチケットを手配できず、8月2日になってもまだブラジル入りしていないというのだ。

ブラジルとの親善試合で自信を深めたキャプテンの遠藤航ブラジルとの親善試合で自信を深めたキャプテンの遠藤航 それだけではない。チームスタッフへの給与が約5ヶ月間も滞納されている問題も発覚し、いかにもナイジェリアらしい"お家騒動"が勃発している。さらに、ベストメンバーも招集できていない。

 アフリカチャンピオンのナイジェリアはタレント揃いで、「金メダル候補」との呼び声も高かった。ところが、オーバーエイジとして選出したチェルシーのMFジョン・オビ・ミケルこそ招集できたものの、マンチェスター・シティのFWケレチ・イヘアナチョ、アーセナルのFWアレックス・イウォビ、オーバーエイジとして考えられていたワトフォードのFWオディオン・イガロ、チェルシーのDFケネス・オメルオといった選手たちが招集できず、大幅な戦力ダウンと準備不足は否めない。

 しかし、だからといって油断は禁物だ。アフリカ特有の身体能力と高い個人技が融合した攻撃は、歴代の日本代表がもっとも苦手としてきたもの。過去のオリンピックでも、1996年のアトランタ五輪と2008年の北京五輪で日本はナイジェリアに敗北を喫している。

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