新指揮官ハリルホジッチは「オシム+トルシエ」タイプ

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 新たにヴァイッド・ハリルホジッチ監督を迎えた日本代表が、そのお披露目とでも言うべき2試合を終えた。結果は2連勝(2-0チュニジア、5-1ウズベキスタン)。上々の船出である。

 もちろん、まだまだ課題は多い。それでも、新指揮官がどんなサッカーを志向し、どんな意識を選手に植えつけようとしているのか。そんなことがうかがえた、内容的に見ても興味深い2試合だった。

幸先のいいスタートを切ったハリルホジッチ監督(中央)幸先のいいスタートを切ったハリルホジッチ監督(中央) 新監督決定当初は、ハリルホジッチ監督がボスニア・ヘルツェゴビナ出身(現在の国籍はフランス)であり、同郷のイビツァ・オシム元日本代表監督と結びつけて見る向きもあった。攻守の切り替えを速くし、豊富な運動量を求める"走るサッカー"を志向するという情報も、オシム元監督との相似を想像させたかもしれない。

 しかし、この2試合で日本代表が見せたサッカーは、オシム元監督時代とはまったく異なるものだと言っていい。

「やろうとしているサッカーはまったく違う」

 そう語るのは、MF今野泰幸である。

 ジーコ元監督時代の2005年に初招集された今野は、これまで日本代表で87試合に出場。今回招集された代表メンバーの中では3番目に多い(ウズベキスタン戦終了時点)。ジーコをはじめ、オシム、岡田武史、アルベルト・ザッケローニ、ハビエル・アギーレ、ハリルホジッチと、6人の日本代表監督の下でプレイしたことになる。

 経験豊富なボランチは、「やっぱり監督によって、それぞれサッカーのスタイルがあるし、練習をやっていても、オシムさんとはまったくスタイルは違うと思う」とし、こう語る。

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