初招集も大いにあり。「アギーレ好み」のJリーガーは?

  • 中山淳●文 text by Nakayama Atsushi photo by AFLO

 日本代表のワールドカップ敗退が決定してからちょうど1ヶ月後の7月24日、メキシコ人監督ハビエル・アギーレの日本代表監督就任が正式に発表された。

 事前に情報が漏れていたこともあり、当日の会見における原博実専務理事の口から出た「ハビエル・アギーレさんと合意しました」という発言自体に大した驚きはなかった。また、アギーレがどういう指導者であり、どのようなサッカーを好むのかという部分に関しても、彼が来日する前段階でかなりの情報が溢れているため、すでに新鮮味が薄れた感も否めない。どこか頭でっかちで、偏見に満ちた状態で新監督を迎え入れるような雰囲気も世間に漂(ただよ)ってはいるが、しかし、これはあくまでも見る側の問題である。

鹿島アントラーズの主力に成長したセンターバックの昌子源鹿島アントラーズの主力に成長したセンターバックの昌子源 その一方で、これから新しい監督が新しいチーム作りを行なうことについて、おそらく肝心の選手たちは気持ちを新たにしてモチベーションを高めているに違いない。"4年後のW杯ロシア大会には......"――心の奥底でそう誓う選手は、それこそ数えきれないほどいるはずだ。果たして新監督アギーレは、自らが望むスタイルを実践するために、どのような選手を招集してチーム作りに励むのか。代表監督は、選手選考が仕事の大半を占めると言われるため、まずは見る側の興味も自然とそこに注がれる。

 実際、過去を振り返っても分かる通り、新しい監督が就任すると、必ずチームを構成する選手も変化する。もちろん、就任直後の試合は前監督時代の選手を基本にチームを編成するケースが多いので、9月に予定される親善試合(5日・ウルグアイ戦@札幌、9日・ベネズエラ戦@横浜)は、W杯ブラジル大会のメンバーが中心となることが予想される。しかしながら、その後は少しずつ変化していくだろう。

 いずれにしても、今後の注目は、やはりザッケローニ時代に招集されなかったどのような新戦力が青いユニフォームを着るのかという点である。もちろん、日ごろ高いレベルでプレイしているヨーロッパ組が中心となるのだろうが、来日後のアギーレが日常的に視察するであろうJリーグでプレイする選手たちにも十分にチャンスはあるはずだ。

 周知の通り、アギーレは過去にメキシコやスペインのクラブチーム、そしてメキシコ代表を率いた経歴の持ち主だ。しかし、決められた予算内で限られた選手をやりくりするクラブチームを指揮する場合と、ある程度自分好みの選手を集めて自らの理想を目指せる代表チームを率いる場合では、事情も手法も異なる。

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