浦和と岡山湯郷が首位決戦。週末はなでしこリーグが熱い (3ページ目)

  • 早草紀子●文・写真 text&photo by Hayakusa Noriko

 対する浦和は、同じ轍(てつ)は踏めない。幸か不幸か、前回対決からそう時間が経っていないため、互いのチーム状況は大きく変わっていない。まずは先制点が欲しいところ。前線はアジアカップでも勝負するチャンスを与えられた吉良、流れを変える切り札として可能性を示して見せた後藤と、なでしこジャパンでもスポットを浴びた、タイプの異なるストライカーがいる。そこへサイドハーフ、ボランチと幾重にも波状攻撃を仕掛けられるのが浦和の強み。

 そんな攻撃陣を後ろから支えるのが、乗松瑠華、高畑志帆を中心とした最終ラインだ。ここ数年で世代交代を進め浦和が築いてきた守備陣は、スタミナ強化によって、中盤から最終ラインまでが走力でカバーし、大崩れすることはない。

 快進撃の裏側には、失点9というリーグ最少失点という堅守があるのだ。攻撃に枚数をさけるのも、守備に信頼を置いているからこそ。

 前回の対決では、攻め上がり、幾度となくチャンスをつかみながらも決めきれなかった前半に悔いが残った。攻勢のタイミングで先手が取れれば、浦和のペースに引き込むことは可能だ。

 そしてもうひとつ重要になるのが天候だろう。梅雨時期とあって、雨であれば足元を取られ、晴れれば暑さによるスタミナ消耗が問題となる。後半に足が止まった方の分が悪くなっていくことは間違いない。どちらにしろ、見ごたえのある一戦となるはずだ。

 今シーズンは全18試合を戦うレギュラーシリーズのあと、上位6チームと、下位4チームに分かれて戦うエキサイティングシリーズという形式が取られている。

 現在、上位リーグに入るためのライン上に4位のアルビレックス新潟レディースから7位のベガルタ仙台レディースまでが勝ち点3差でひしめき合っている。引き分けや惜敗で前半こそ下位に沈んだが、第8節から怒涛の6連勝で一気に3位に躍り出たベレーザも4位との差はわずかに3。しかし、2位の湯郷ともその差は3と、まさに大混戦。レギュラーシリーズ残り5節。連敗は命取り。どこが勝ち上がり、どこが振り落とされるのか――目が離せない熱い1カ月となりそうだ。
※成績は7月18日現在

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