2014.06.10

名波浩の助言。ザックJの失点癖は解決できる

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名波浩の視点
ブラジルW杯
日本代表の勝機を探る(1)

 ブラジルW杯に臨む日本代表が、本番前のテストマッチ3試合を消化。キプロス戦が1-0(5月27日/日本)、コスタリカ戦が3-1(現地6月2日/アメリカ)、ザンビア戦が4-3(現地6月6日/アメリカ)という結果に終わった。それぞれの試合を具体的に採点するのは難しいけれども、1試合消化するごとにチームの状態が上がってきたことは間違いない。そして、本番前にさまざまな問題点が浮き彫りになり、課題が見えた、ということでは非常に意味のある3試合だったと思う。

 キプロス戦は、1-0という結果も、内容も乏しかった。でもそれは、MF本田圭佑やDF長友佑都は帰国したばかりで、他の選手たちも直前の合宿でかなりハードなトレーニングをこなしてきて、コンディションが整っていなかったから仕方がないこと。

 それよりも、この試合で重要だったのは、負傷で長い間戦列を離れていたDF内田篤人、DF吉田麻也、MF長谷部誠の3人が、十分にプレイできるかどうか、ということだった。その点では、3人とも無難なプレイを見せ、見ている側に安心感を与えた。チームにとっては収穫だったと思う。

 続くコスタリカ戦では、守備面で課題が露呈した。象徴的だったのは、前半31分に先制ゴールを奪われたシーン。日本は右サイドでボールを失うと、そのまま相手に同サイドを突破され、簡単にファーサイドへクロスを上げられて失点した。右サイドバックの内田、そのカバーに入ったセンターバックの森重真人、そしてこの試合では左サイドバックに入ってファーサイドで対応した今野泰幸と、ひとりひとりの対応が緩慢で、怠慢だった。それぞれがあと一歩、あと半歩でも前に出て、相手に対して厳しく対応していれば、防げていた失点かもしれない。

 忘れていけないのは、前回の2010年南アフリカW杯。あのとき結果を出せたのは、中盤の底でアンカーを務めた阿部勇樹を中心に、相手の攻撃に対して誰もが献身的に、アグレッシブな対応ができていたからだ。常に危ないところをケアして、ボールを持った相手に対しては、激しいチェックを欠かさなかった。それが、チーム全体で連動してできていたから、不用意な失点をすることがなかった。

 だが、今回のチームはそれができていない。3戦目のザンビア戦でも、楽をしてというか、軽い対応をしてやられるシーンが随所に見られた。W杯に出てくる世界の強豪国というのは、そうした"ミス"を必ず突いてくる。

 だからこそ、ひとりひとりが緩慢なプレイをすることは絶対に許されない。組織で守るとはいえ、局面においては個々の勝負。「やばい」と思ったら、ファールしてでも止める意識というか覚悟が必要で、より集中力を高めて対処することを考えなければいけないだろう。