2012.10.13

【日本代表】サンドニで見せた確かな成長。
なぜフランスの猛攻を跳ね返せたのか?

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by YUTAKA/AFLO SPORT

後半、香川のゴールが決まり1-0。フランス戦で歴史的な1勝を挙げたザックジャパン
 11年前、0-5の惨敗を喫したのと同じサンドニの舞台で、日本がフランスに1-0で勝利を収めた。かつて世界の頂点を極めたヨーロッパの強豪国を相手に、しかも敵地に乗り込んで勝利したのだから、その価値は極めて大きい。

 立ち上がりは、完全にフランスのペースだった。防戦を強いられた日本はどうにかボールを奪ったとしても、それを敵陣まで運ぶことすらままならなかった。中村憲剛が語る。

「最初は相手の圧力に押されて、全体に引きすぎた。自分自身、(相手の)最終ラインに圧力をかけられなかった」

 また、今野泰幸は、「(フランスの)名前にビビったというか、ちょっと飲まれたというか、そういうのはあった」と振り返る。

 特に日本が手を焼いたのは、フランスのサイド攻撃である。吉田麻也が言う。

「ボランチから逆サイドへの展開が多いから、そこをケアしようと話していたが、サイドで2対1(日本の数的不利)の状況を作られた」

 とはいえ、劣勢という試合展開を日本の側に立って見れば、原因は守備というより攻撃にあったと言っていいだろう。

 中村はこの試合を、「ボールを運ぶことすら苦労するゲーム」と表現し、こう話す。

「ターンオーバーを繰り返すような感じで奪ったボールを簡単に失って、(ボールが)行ったり来たりすることが多かった」

 フランスの攻撃に迫力があったのは確かだが、それをまったく防げなかったわけではないし、むしろ「ボールは何度も奪えた」(今野)。だからこそ、奪ったボールを攻撃につなげ、「もっとボールを持つ時間を長くしないといけなかった」(中村)。それこそが劣勢の正体である。

 前半15分あたりから、ようやく日本のパスが回りはじめたが、それでも少しは反攻できるようになったという程度。フランスの猛攻を受け続けるという展開に変わりはなかった。結果が出た今となってみれば、中村が言うように「前半に失点しなかったのがすべて」ということになるだろう。