【日本代表】凡戦は想定内。ザックが目前のイラク戦より重視したもの

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

UAE戦でゴールを記録し「自分のプレイに自信を取り戻せた」というハーフナー。UAE戦でゴールを記録し「自分のプレイに自信を取り戻せた」というハーフナー。 およそ3カ月ぶりのW杯最終予選となる9月11日のイラク戦を前に、日本代表がUAEとテストマッチを行なった。

 引いて守りを固めたり、中盤でつぶし合ったりといったことに終始することなく、互いに攻め合い、どちらにもそれ相応のチャンスが生まれた試合は、そこだけを取り上げれば、なかなかの好ゲームということになる。

 だが、実際は違った。ピッチ上には常に生ぬるい空気が漂い、どこか熱気に欠けた試合だったことは否めない。1-0で日本の勝利という結果にも、さしたる意味はないだろう。

 簡単に言えば、日本は攻められすぎた。ドリブルで走られ、スルーパスを通され、何度も危うい場面を作られた。前述したように、その分、攻めてもいたため、試合全体にそれほど劣勢感はなかったが、最近の日本代表には珍しい、実に不安定な守備だった。キャプテンの長谷部誠は言う。

「前半、DFラインが引きすぎて、間延びしてしまい、(相手ボールへ)プレッシャーにいけなかった。全体として(選手間の)距離が遠く、バランスが悪かった」

1 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る