【五輪代表】ポイントは前線の組み合わせ。最終戦で新たな可能性は生まれるか? (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Tsukida Jun/AFLO SPORT


 ならば、有り余るほどのアタッカーを、タイプに縛られることなく最大限に生かしたい。その新たな術を見出せれば、言うことなしというわけだ。

 原口が「大迫くんがいれば、ボールが収まるところができるけど、(バーレーン戦は)流動的にやることになるんじゃないかと思う」と話すように、恐らく4-2-3-1の「3」と「1」のポジションに、セカンドストライカータイプを並べることになるだろう。

 そこから、それぞれがポジションを入れ替えながら前線へ飛び出していく。そんな機動力あふれるサッカーが、おおまかなイメージとなるはずだ。

 ただし、原口が「役割的には今まで通り」とも話したように、多くの選手が強調するのは、特別なことをする必要はない、ということだ。

 東慶悟は、「まずは自分が試合に出られるようにしないと」と、激しくなったポジション争いに触れたうえで、こう話す。

「自分のプレイを変えることはない。(自分が)周りを生かし、(周りも)自分を生かしてくれればいい。違う選手でやれるサッカーをやるだけ。僕自身楽しみだし、いろんな個性があるので、それを十分出せればいいと思う」

 また、清武は「誰が入っても変わらないので、そこまで気にしていない」と素っ気なかったが、「(今日の練習で)いろんなことを試せたのでよかった。自分たちのサッカーをすれば問題はない」と、少ない言葉のなかにも自信をのぞかせた。

 その一方で、大津は大迫不在の状況に、「FW(1トップ)に入った場合は、起点になることも大事」と具体的なイメージをふくらませつつ、自身の役割を明確に定める。

「(ポジションはどこでも)まずはゴールを意識して結果を出す。ヒーローになるつもりではいます(笑)。こういう試合では、1回のチャンス(を決めること)が大事なる。泥臭くてもきれいでも、1点は1点。試合を決めるには結果(ゴール)が必要だから」

 日本はこの試合で、バーレーンに勝つか引き分ければ、シリアの試合結果に関係なく、ロンドン五輪出場が決まる。

 そこで最も重要なのは、言うまでもなく、確実に出場権を手にすることである。しかし、それと同時に、区切りの最終戦にふさわしい、本大会へ向けた新たな可能性が示される試合でもあってほしいと思う。

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