【プロ野球】「142イニングと143イニングはまったく違う」ヤクルト・奥川恭伸が青柳晃洋の助言でつかんだ"新しい自分" (2ページ目)
【投げ込みが証明したスタミナの進化】
1月19日、強い北風が吹く戸田球場。奥川は「今年は元気に、強く、大きくです」と半袖姿で自主トレに励んでいた。ランニングを終えるとブルペンへ向かい、球数を重ねるごとに球威を増しながら102球を投げ込んだ。「このオフは毎日のように傾斜を使って投げています」と笑顔を見せた。
2月の沖縄・浦添キャンプでも、「投げて、投げて、投げてですね」と話すほど、投げ込みに徹した。チームとしてまだ球数制限を設けていた2月4日のブルペンでも、50球、60球、70球......と、熱のこもった投球を続けた。終わる気配のない様子に、「ちょっと周りがピリつき始めたんで(笑)」と最終的には112球で切り上げた。その後も自己最長となる5日連続でブルペン入りするなど、充実したキャンプを送り、2026年シーズンの開幕を迎えた。
「オフからトレーニングや投げ込みをしっかりした分、いいスタートを切ることができました」
前述のように黒星が先行しているものの、先発投手の役割を果たした指標とされるクオリティスタート(QS=6回以上を投げて、自責点3以内)は9回達成している。
4月18日の巨人戦(神宮)は、7回を投げて3失点。勝ち星こそつかなかったが、奥川の力投もあって、チームは9回裏に劇的なサヨナラ勝利。試合後、納得した表情を見せた。
「今までだったら6回で交代だったと思うので、7回までいけたのは大きかったですね」
5月24日のDeNA戦(横浜)は0対1で敗戦投手となったが、8回を完投した。
「完投できたので、めちゃくちゃ満足です。チームを勝たせられなかったのは申し訳ないですけど、ハイクオリティスタート(7回以上、自責点2以内)は達成したので、自分のなかではOKです。これからもこういうピッチングを続けていきたい。もっと上を目指して、完投を増やしたいですね。もう7回以上を投げないと満足できないです(笑)」
そして6月14日のソフトバンク戦(みずほPayPayドーム)で、奥川は圧巻の投球を披露。9回111球、被安打5、9奪三振、無四球。プロ初完封勝利を飾り、近藤健介、栗原陵矢、柳田悠岐の強力クリーンアップを無安打に封じ込めた。
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