【プロ野球】落合博満、松永浩美も参考にした加藤秀司のバッティング 「いいバッター」の共通点とは? (4ページ目)
――加藤さんは首位打者を2度、打点王を3度獲得されていますが、通算本塁打も347本と長打力も兼ね備えていました。三冠王に近づいたシーズンもありましたね。
松永 1979年ですね。打率.364で首位打者、104打点で打点王を獲りましたが、本塁打がわずかに及ばなかった( 加藤氏は35本、本塁打王の・近鉄チャーリー・マニエル氏が37本塁打)。ただ、加藤さんの通算の長打率は5割を超えています。私が入団した頃はちょうどバリバリの頃で、「すごいな」と思って見ていました。
そんな加藤さんに、褒めていただいたことがあるんです。お互いに引退したあとだったんですが、「マツ(松永氏の愛称)はヒットを何本打ったんだ? 1500~1600本くらいか?」と聞かれた時があって、「1904本です」と答えたら、「お前、そんなに打っていたんだ。(2000本安打まで)惜しかったなぁ」と言われたんです。
続けて「でも、僕の場合は試合数が少ないですから(1816試合出場)」と言ったら、「試合数よりも安打数が多いのか。そら立派やな」と褒めていただいたんですよ。加藤さんも、試合数よりも安打数が多い(2028試合出場、2055安打)。私のなかでいいバッターというのは、試合数よりも安打数が多いバッターだと思っていますし、加藤さんにそう言っていただいた時はうれしかったですね。
――加藤さんのバッティングを見て学んだ松永さんとしては、喜びもひとしおだったのでは?
松永 そうですね。加藤さんからはいろいろなことを学びましたからね。なかでも、最大の学びがあるんです。
普通は、ストライクを振ってボールを見送るじゃないですか。加藤さんはストライクを打つのではなく、ストライクゾーンを外れていても「打てるボール」がきたら打つ。「なぜ、あんなにインコースのボールを打つんだろう」と思うこともしましたが、「打てるんやから、打っていいんだよ」と。たとえボールでも、自分が打てるボールは打っていいんだと気づかされました。
アウトコースにボール1個分くらい外れていても、打てると思ったら打つ。そうすると、ヒットが出るもんなんです。当然、ストライクとボールの見極めは大事ですが、それよりも「打てるか、打てないか」が大事。ストライクかボールかを見極めたところで、ヒットが打てなければ意味がありません。
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